内容説明
印刷のない時代の本をめぐる楽しさ。現在のような印刷がない時代にも、本は作られていた。書き写され、読まれ、楽しみ続けられて来た。現在に比べれば、不便なことである。しかし、印刷がなかった時代であるゆえの「本作りのおもしろさ」「本の成り立ちのおもしろさ」「本に向かい合う人々の楽しさ」もまた格別だったのではないか。そのような本をめぐる楽しさを十分に満喫していただきたい。
目次
1 享受本文の生成(我々は藤原定家校訂本を読んでいる;『更級日記』の場合;文学作品はオーダーメードで一点だけ作られる ほか)
2 研究本文の生成―『古今和歌集』を例として(伝承から実証へ;写本の中に情報を詰め込む―清輔本の方法;俊成の『古今和歌集』本文―清輔との違い ほか)
3 藤原定家の古典書写(藤原定家の『古今和歌集』書写;嘉禄二年本『古今和歌集』の擦り消し訂正;初期の定家本『古今和歌集』を見る―建保五年本 ほか)
著者等紹介
片桐洋一[カタギリヨウイチ]
1931年9月、大阪市に生まれる。1954年3月、京都大学文学部(国語学国文学専攻)卒業。1959年3月、同大学院博士課程単位修得。1959年10月、大阪女子大学助教授。1974年、同教授。1987年、同学長に就任。1991年5月、同満期退職。1991年10月、関西大学教授、2002年3月、同退職。現在大阪女子大学名誉教授。2011年11月、文化功労者として顕彰される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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