内容説明
河内金剛寺の存在を通して寺辺一帯の中世的世界に迫る。天野山金剛寺は承安二年(1172)に高野山の別院として開創され、南北朝および戦国の内乱をしたたかに生きぬいた一山寺院である。本書は南朝中心史観の呪縛を脱して、金剛寺を核とした寺辺一帯を中世地域史に位置づける初の試みである。
目次
第1章 天野山金剛寺の草創と展開―『金剛寺結縁過去帳』をめぐって
第2章 南北朝内乱と河内国金剛寺の政治的様態
第3章 天野合戦と金剛寺々辺の中世城郭
第4章 応安六年天野・長野合戦と年号問題
第5章 金剛寺の中興阿鑁に関する覚書
第6章 助松道正と天野山金剛寺
第7章 河内の国酒「天野」に関する一考察
第8章 中世一山寺院の空間構成と地域権力―金剛寺を中心とした素描
著者等紹介
堀内和明[ホリウチカズアキ]
1946年京都市に生まれる。1970年立命館大学文学部史学科日本史専攻卒業。1970年~2010年大阪府立高校教諭。現在、重文金剛寺金堂等修理専門委員・高石市郷土史研究委員・千早赤阪村文化財保護審議委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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