ツェランの詩を読みほどく

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  • サイズ B6判/ページ数 258p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622078678
  • NDC分類 941
  • Cコード C1098

出版社内容情報

戦後ヨーロッパ最大の詩人パウル・ツェラン。とびきり難解だがその詩には出会うべき主題がある。41編の詩の心を読みほどく

戦後ヨーロッパ最大の詩人、パウル・ツェラン。それにしてもツェランの詩は難解だ。注釈や研究書はすでにあふれるほど出ている。しかし「彼の詩を読む人は、その人にあらかじめそなわっている〈心〉との〈再会〉によってしか、その詩に出会えない」。1編の詩には1つの主題がある。その主題こそが、出会うべき詩の心(核心)である。初期から晩年まで41編を読みほどく、これまでになかった明快な解説書であり、斬新な現代詩入門。

はじめに――ツェランをどう読むか  第一章 チェルノヴィッツ(一九二〇~四一年)――処女詩集『骨壺からの砂』?T  第二章 チェルノヴィッツからブカレストへ(一九四二~四五年)――『骨壺からの砂』?U  第三章 ブカレスト(一九四六年)――『骨壺からの砂』?V  第四章 ブカレストからウィーンへ、そしてパリ定住(一九四七~四八)――『骨壺からの砂』?W  第五章 一九四九~五〇年――第一詩集『ケシと記憶』?T  第六章 一九五一~五二年――『ケシと記憶』?U・第二詩集『閾から閾へ』?T  第七章 一九五三年――『閾から閾へ』?U  第八章 一九五四年――『閾から閾へ』?V  第九章 一九五五~五八年――第三詩集『言葉の格子』  第十章 一九五九~六二年――第四詩集『誰でもない者の薔薇』  第十一章 一九六三~六五年――第五詩集『息の転回』  第十二章 一九六六~七〇年――第六詩集『糸筋の太陽』以後  年譜  使用テクストおよび参考文献  あとがき

内容説明

西欧と死の国、忘却の家=ドイツ語、キリスト教とユダヤ人、シオニズムとの葛藤、ネオナチとの闘い、人間イエスに倣って―。41編の“詩と真実”に迫る初めての読解。

目次

チェルノヴィッツ(一九二〇~四一年)―処女詩集『骨壷からの砂』1
チェルノヴィッツからブカレストへ(一九四二~四五年)―『骨壷からの砂』2
ブカレスト(一九四六年)―『骨壷からの砂』3
ブカレストからウィーンへ、そしてパリ定住(一九四七~四八年)―『骨壷からの砂』4
一九四九~五〇年―第一詩集『ケシと記憶』1
一九五一~五二年―『ケシと記憶』2・第二詩集『閾から閾へ』1
一九五三年―『閾から閾へ』2
一九五四年―『閾から閾へ』3
一九五五~五八年―第三詩集『言葉の格子』
一九五九~六二年―第四詩集『誰でもない者の薔薇』
一九六三~六五年―第五詩集『息の転回』
一九六六~七〇年―第六詩集『糸筋の太陽』以後

著者等紹介

相原勝[アイハラマサル]
1952年、東京都練馬区生まれ。1974年、立教大学経済学部卒業。1984年、立教大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻博士後期課程修了。1982~83年にかけて1年間テュービンゲン大学留学。現在、長岡工業高等専門学校教授。1996、2003、2010年に、それぞれ3ヵ月、「マールバッハ・ドイツ文学資料館」にて、ツェラン資料を探索し、このドイツ滞在期間中、ツェランの生涯の足跡をもとめ、チェルノヴィッツ、ブカレスト、ウィーン、パリ、ブルターニュ、南フランス、アッシジなどを訪ねる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Syujin Yukido

3
「アウシュビッツの後に詩は存在しない(アドルノ)」とあり、それでもアシュビッツを経てきた言葉というものを読んでみたくて読んだ。シュルレアリスムということで難解であるものの、今回ほど詩という表現形式のことを考えさせられたことはない。というのも読みほどくから言葉が力をうしなうということはあるのではないかと思う。これは誤解しないでほしいが、読みほどいていただいたことはたいへんありがたいことではあったのだ。「讃歌」という詩を読んではじめてほっとしたら、代表作だと解説されていた。2018/05/19

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