出版社内容情報
戦後ヨーロッパ最大の詩人パウル・ツェラン。とびきり難解だがその詩には出会うべき主題がある。41編の詩の心を読みほどく
戦後ヨーロッパ最大の詩人、パウル・ツェラン。それにしてもツェランの詩は難解だ。注釈や研究書はすでにあふれるほど出ている。しかし「彼の詩を読む人は、その人にあらかじめそなわっている〈心〉との〈再会〉によってしか、その詩に出会えない」。1編の詩には1つの主題がある。その主題こそが、出会うべき詩の心(核心)である。初期から晩年まで41編を読みほどく、これまでになかった明快な解説書であり、斬新な現代詩入門。
はじめに――ツェランをどう読むか 第一章 チェルノヴィッツ(一九二〇~四一年)――処女詩集『骨壺からの砂』?T 第二章 チェルノヴィッツからブカレストへ(一九四二~四五年)――『骨壺からの砂』?U 第三章 ブカレスト(一九四六年)――『骨壺からの砂』?V 第四章 ブカレストからウィーンへ、そしてパリ定住(一九四七~四八)――『骨壺からの砂』?W 第五章 一九四九~五〇年――第一詩集『ケシと記憶』?T 第六章 一九五一~五二年――『ケシと記憶』?U・第二詩集『閾から閾へ』?T 第七章 一九五三年――『閾から閾へ』?U 第八章 一九五四年――『閾から閾へ』?V 第九章 一九五五~五八年――第三詩集『言葉の格子』 第十章 一九五九~六二年――第四詩集『誰でもない者の薔薇』 第十一章 一九六三~六五年――第五詩集『息の転回』 第十二章 一九六六~七〇年――第六詩集『糸筋の太陽』以後 年譜 使用テクストおよび参考文献 あとがき
内容説明
西欧と死の国、忘却の家=ドイツ語、キリスト教とユダヤ人、シオニズムとの葛藤、ネオナチとの闘い、人間イエスに倣って―。41編の“詩と真実”に迫る初めての読解。
目次
チェルノヴィッツ(一九二〇~四一年)―処女詩集『骨壷からの砂』1
チェルノヴィッツからブカレストへ(一九四二~四五年)―『骨壷からの砂』2
ブカレスト(一九四六年)―『骨壷からの砂』3
ブカレストからウィーンへ、そしてパリ定住(一九四七~四八年)―『骨壷からの砂』4
一九四九~五〇年―第一詩集『ケシと記憶』1
一九五一~五二年―『ケシと記憶』2・第二詩集『閾から閾へ』1
一九五三年―『閾から閾へ』2
一九五四年―『閾から閾へ』3
一九五五~五八年―第三詩集『言葉の格子』
一九五九~六二年―第四詩集『誰でもない者の薔薇』
一九六三~六五年―第五詩集『息の転回』
一九六六~七〇年―第六詩集『糸筋の太陽』以後
著者等紹介
相原勝[アイハラマサル]
1952年、東京都練馬区生まれ。1974年、立教大学経済学部卒業。1984年、立教大学大学院文学研究科ドイツ文学専攻博士後期課程修了。1982~83年にかけて1年間テュービンゲン大学留学。現在、長岡工業高等専門学校教授。1996、2003、2010年に、それぞれ3ヵ月、「マールバッハ・ドイツ文学資料館」にて、ツェラン資料を探索し、このドイツ滞在期間中、ツェランの生涯の足跡をもとめ、チェルノヴィッツ、ブカレスト、ウィーン、パリ、ブルターニュ、南フランス、アッシジなどを訪ねる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Syujin Yukido
-
- 和書
- 心がポキッとね