内容説明
木曽の義仲と鎌倉の頼朝、二人の源氏を縦軸に、流人頼朝謀叛に共鳴する作者の原理的思考をえぐり出し、抗いたち向かう清盛の悲劇の根源をあぶり出す。「平家物語は何を語るか」、究極の課題を掲げて、延慶本平家物語、この源泉からわき出る滔々たる奔流を押さえる。
目次
第1章 平家物語は何を語るか(木曽義仲を通して延慶本平家物語を読む;「流人頼朝謀叛への共鳴」と、その物語的構築;延慶本平家物語の、「孤子」への関心とその意味するもの)
第2章 平家物語の負の遺産(延慶本平家物語の序章「人臣ノ慎ミ」と、成親の「右大将争い」;平家物語の後鳥羽院;帰らぬ旅人―隠岐院)
第3章 軍記物語を流れる念い(望郷の系譜;軍記において「和平」ということ―平家物語を中心に)
著者等紹介
武久堅[タケヒサツヨシ]
1936年芦屋市に生まれる。1960年関西学院大学文学部卒業。1990年文学博士(関西学院大学)。職歴:広島女学院大学教授を経て、関西学院大学教授。現在、関西学院大学名誉教授(同大学院非常勤講師)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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