新潮文庫<br> 帰郷 〈下〉

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新潮文庫
帰郷 〈下〉

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  • サイズ 文庫判
  • 商品コード 9784102108055
  • Cコード C0197

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

田中

26
胸中のリアリティーが深かった。よくある親族の問題なので自分ならどうするのか?と考えてしまう。「親子」でも、「夫婦」でも、愛しているのに将来の構想が異なってしまう。そんな齟齬感が渦巻くと、誤解や勘違いもおこりやすいし、感情的に悪くなる。折れるか、謝るか、理解するか、なにか緩和する対応を早めにすればよかったのだろう。深夜の土砂降りの風雨のなか、さし迫った状況が刻々と過ぎていく。無意識の衝動性に右往左往するのが怖かった。適時を逸すると、思いもよらない哀しみをうみだすのだろう。翻弄される宿命的な群像劇だ。 2022/02/20

きりぱい

5
夕闇迫るヒースの丘、全身紅色づくめの紅柄屋、かがり火焚きの風習と、印象的な幕開けの物語は、その不穏な空気のままムカムカまっしぐら。悪女ではないけれど、愛情だけでは満足できず、嫌気のさす現状から脱け出す夢を見るユーステイシア。少しも幸福になってほしいと思えないのは私が狭量なのかもしれないけれど、そうとしか読めず、未練がましいワイルディーヴ、純粋さが仇なクリム、おとなしいトマシン、ひたむきなヴェンと、すげなくもそれぞれが迎える結末は、人生に望むものを思いあぐねたあげくの報いでもあった。(千城版で読了)2011/02/14

takeakisky

0
原註で、ハーディの本意でないよう書かれる結末。確かにやや取ってつけたようなコース変更と思えもするが、確実に読み手の満足度は高くなったはず。私自身エグドンヒースに温かい気持ちを抱いて読み了えた。2023/09/30

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