内容説明
関西支部創設三〇周年にあたり、その節目から当時の文学研究状況を見直す試み。研究方法の展開は常に“継承と断絶”の争闘の歴史だが、当時、最も注目を集めた争闘は、学界のみならず文壇にも波及した「方法論論争」であった。本書には、論争の主役だった谷沢永一氏とこれに応酬した平岡敏夫氏の“生の声”をはじめ、論争のリストや会場との質疑応答も含め、近代文学研究が大衆化しつつあった時代の空気も仄かに刻まれている。
目次
日本近代文学研究の転回点から―企画のことば
文学研究の発想
文学史研究における継承と断絶―関西支部30周年のテーマに寄せて
シンポジウム 文学研究における継承と断絶―関西支部草創期から見返す
関西支部30年誌コラム
関西支部創設30周年の記録