出版社内容情報
災害遺児、病気遺児、自死遺児などを支援する教育奨学運動「あしなが育英会」は、いまや国際的にも広く知られている。この日本有数のボランティア活動を無から立ち上げ、大きな組織に育て上げた玉井義臣と周辺の人物像を描き出し、活動の意義を歴史社会学的に位置づけた労作。文庫化にあたり、玉井による「岩波現代文庫版に寄せて」を収録した。解説=苅谷剛彦
内容説明
玉井義臣が立ち上げた「交通遺児育英会」は巨大な組織に成長した。「過剰」とも言えるほどの成功を収めるなか、権力者によって玉井は「交通遺児育英会」から追放されるが、「あしなが育英会」を拠点に復活を遂げる。阪神・淡路大震災を経て、玉井は災害遺児や病気遺児らへの支援をさらに拡大し、彼らの希望の灯台になってゆく。文庫化にあたり、玉井による「岩波現代文庫版に寄せて」を収録。
目次
9 教育運動家の自己発見
10 恩返し運動の展開
11 過剰成功と問題の性格変化
12 社会運動家は追放された
13 もうひとつの物語
14 社会運動の社会学への示唆
著者等紹介
副田義也[ソエダヨシヤ]
1934‐2021年。社会学者。東京大学大学院社会科学研究科修士課程修了。東京女子大学教授、筑波大学教授、金城学院大学教授、福祉社会学会初代会長、あしなが育英会副会長などを歴任。社会学にとどまらず、漫画評論、小説など多彩な執筆活動を展開した。博士(社会学)=東京大学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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