内容説明
幕末明治に活躍した文人たちの伝記や著述を取りあげ当時の文化のかたちをあらわにする。全部で14章からなり、現代の古典研究の学祖の一人本居宣長の京の門人たちの動向や、高槻における万葉調歌風の一派、山陵研究に従事した愛書家の矢盛教愛、尼崎の郷校の先生として一生を終えた鴨田白翁、懐徳堂の人々と山片家の交流、堺の富豪の蔵書目録などなどみな興味尽きぬものばかりである。
目次
大橋長広について―京における鈴屋門
京の鐸舎の書状刷り物
和歌誹諧体の宗匠、伊東颯々
追善歌集『月の玉橋』について
国学者、矢盛教愛について―付・矢盛文庫旧蔵本目録
幕末における山片家と懐徳堂―四水館をめぐって
尼崎郷校の儒者、鴨田白翁
高山慶孝について―付・高山慶孝蔵書目録『慶応二年丙寅秋八月改正高山氏蔵書目録』
遠藤千胤「明石の浦月見の記詠草」―開化期の国学者の紀行
滋岡家と近世後期大坂雅壇〔ほか〕