内容説明
ずっと噛みしめていたい飽きのこない「言の葉」。原材料にとことんこだわった美味なるエッセイ。
目次
1章 ようこそ言の葉食堂へ(ビンラディン・ドリンク;なめる原爆、クシャミする核 ほか)
2章 誤訳の海にこぎ出す(ドルフィンはいるか?;誤訳の海 ほか)
3章 がんばればニッポン(八雲の骨と神の数;片仮名スヰツチ ほか)
4章 万葉マンション入居者募集中(鯨の耳に念仏?;マンションに枕を並べて ほか)
著者等紹介
ビナード,アーサー[ビナード,アーサー] [Binard,Arthur]
詩人。1967年、米国ミシガン州生まれ。高校生のころから詩を書きだし、ニューヨーク州のコルゲート大学で英米文学を学ぶ。卒業と同時に来日し、日本語での詩作、翻訳を始める。2001年、第一詩集『釣り上げては』(思潮社)が中原中也賞に選ばれる。『日本語ぽこりぽこり』(小学館)で講談社エッセイ賞、『ここが家だベン・シャーンの第五福竜丸』(集英社)で日本絵本賞、『左右の安全』(集英社)で山本健吉文学賞、『さがしています』(童心社)で講談社出版文化賞絵本賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
227
全部で63篇からなる、言葉をめぐるショート・エッセイ集。ある時は、ビナードさんが日本での日々の暮らしの中で見つけた、ちょっと変な看板から日米比較文化論を展開する。そして、またある時はTPPやミサイルといった言葉の裏に隠された欺瞞を、いとも鮮やかに解明して見せる。そう、たった一つの言葉から、実にたくさんのことがわかるのだ。ちゃんと目を開いて、よく見さえすれば。ビナードさんのエッセイになじんだ人にも、あるいはビナードさんが初めてという人にもお勧めできる。一つ一つは短く一見シンプルに見えるが、その実本質は深い。2015/07/14
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
51
日本語のあれこれなど、日常の疑問についてアーサー・ビナードさん目線で書かれた63篇。日本人より日本語を使いこなし、たまにはこちらがハッと感じるほどの辛口もあり、アーサー節な一冊。最後の生活排水による汚染物質の垂れ流しの話は考えさせられました。【原爆ドームものがたり】などでも感じたが、自然や地球を本当に大切に思い、実際行動しているアーサーさんを見習わなければと反省でした。2019/10/09
kinkin
46
著者の英語を日本語として、日本語を英語として捉えた時の不思議感がジワッと伝わってきた。わたしたちが平気で使っているカタカナ語は、英語圏の人からみるとかなり違和感のある言葉も多いようだ。しかしヤクルト・スワローズのスワローには燕という意味意外に飲み込むという意味もあるそうだ、ヤクルトをごくごく著者は感心。そんな話が満載。興味深く読めた。おすすめの一冊。2015/06/14
ヒデミン@もも
24
この本良かった! すっかりアーサー・ビナードさんのファンになりました。 よく 和製英語やTシャツに書かれた英語がヘンってのは聞くけど、いろいろあるんだね~。有名どころでも。ミルクサンドゴーフルをみて、砂のようにジャリジャリする食べ物?と不安げなのは彼の母親。ラスク、クランキーチョコの話題もウケる。でも食べ物の話題だけではありません。タイトルから美味しそうだったから借りたのでもありません。2013/11/02
なにょう
11
★食料品のパッケージの原材料名や栄養成分表まで読んじゃう、文字・言葉中毒な人にオススメの一冊。日本語のあれこれにまつわるエッセイ。★面白い。あ、でも英語がわからないからか時々どうゆうこと?って話もあった。★米国生まれの著者は「万葉集」まで読み込んでいる。「万葉集」読んでもすぐに役立つ訳ではない。でも…ってエピソードがあった。これが教養ってやつだな。すぐに役立つ訳ではないけど…って言うのが読書だな。★いや、それにしても、この暑さは何!?(・_・;?2015/09/27