内容説明
歴史を変えた本当の敵は病だった。医学から見ると「三国志」はこうなる!曹操は脳腫瘍?孔明は過労死?泣いて馬謖を斬ったときに切れたものは?赤壁の戦いは戦う前に勝負がついていた?…これまでとは違った、新しい「三国志」の世界がひろがる。
目次
つらぬいた誠―諸葛孔明は過労死
養生をうたった英雄―曹操の頭痛は脳腫瘍
君みずから取るべし―劉備をおそったショック
寿命でライバルに勝つ―孫権・長寿の副作用に苦しむ
サバイバル「三国志」―司馬仲達・しぶとく生き抜く
赤壁の戦い―敵は病なり―周郎・短命を恨まず
優柔不断は命取り―袁紹の誤算
参謀無常―生き残りへの処方せん
動乱の時代の宗教―疫病の落とし子
二代目―国の命運を決めるカギ
才子短命―才能は寿命をこえられるか
憤死―おそるべきもの・汝の名は怒り
病も方便―最高機密・それは健康
著者等紹介
若林利光[ワカバヤシトシミツ]
若林医院院長。医学博士。国際外科学会会員。1952年大阪市生まれ。神戸大学医学部卒業。脳神経外科非常勤講師をへて、2002年より兵庫県脳神経外科・神経内科診療所医会副会長。1991年、脳梗塞予防の研究で第44回兵庫県医師会設立記念医学会医学研究賞。1998年『偉人たちのお脈拝見』で第18回日本文芸大賞(医療文化賞)受賞。脳卒中、なかでも、くも膜下出血に関する国際的な業績多数あり
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感想・レビュー
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胡瑯
5
筆者が医師ということで医学的観点から三国志武将・軍師の死因をとらえている本。たいてい「憤死」で終わらせているところをきちんと病名を挙げて説明しているのは興味深かった。ただ同じ話を何度も入れているところが嵩増しっぽくて残念でした。連載してたというわけでも無いですし、、、2015/02/19
sohya_irej
2
「三国志」の医学の視点からのとらえなおした一冊。三君主と参謀、袁紹などについては、一人一章を使ってその業績・病状を「分析」している。晩年の曹ヒが門が崩れたのを気にし城に入らなかった話についても「体調が悪いと、つまらないことに対して神経が過敏になることがある」と一蹴。人が唐突に迷信深くなる記述はよく見るけれど、根本はこうした単純なことなのかもしれない。/個人的には曹操の項がおもしろかった。終盤はやや冗長。前書きに各章読みきり形式なので重複がある、とはあったが、個人の略歴を何度も引き出されるのはさすがに辛い。2010/03/23