出版社内容情報
▼若者と労働をめぐる言説は多い。「ニート」「即戦力」「コミュニケーション能力」「自己実現」「過重労働」……。▼しかし、それは責任を放棄した大人が作り出したプレッシャーではないのだろうか。いわれなき圧迫に翻弄される若者たち。その背後には日本社会の階層化も忍び寄っている。▼「働くことに疲弊する若者」と「働けない自分に絶望する若者」を、理解不能な存在、単なる社会的弱者として排除することなく、大人たちが個人として、社会として彼(彼女)らの就業と自立のためにできることとは何か。▼企業の本音、支援現場の声、そして豊富な最新データを総合した本音の革新的論考。「ニート論」の火付け役にして労働経済学の第一人者による「現代若者論」の集大成。
内容説明
個性重視、自己実現、対人能力への偏重が若者たちを追いつめる。現代仕事論の核心に迫る。
目次
1 働く若者に起こっていること(即戦力という幻想;データでみる働く若者の実情;長時間労働と本当の弊害;仕事に希望は必要か)
2 働けない若者の内実(ニート、フリーターは何が問題か;学卒・独身・無職;増える非求職型の背景;非希望型と社会階層)
3 大人はどう向き合うか(支援の現場から;親と子どものあいだには)
若者に未来はあるか
著者等紹介
玄田有史[ゲンダユウジ]
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業。専攻は労働経済学。東京大学社会科学研究所助教授。著書に『仕事のなかの曖昧な不安』(中央公論新社、第24回サントリー学芸賞、第45回日経・経済図書文化賞受賞)、『ジョブ・クリエイション』(日本経済新聞社、第45回エコノミスト賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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