内容説明
『死刑囚１１話』では死刑囚のために尽力した弁護士が、『死刑囚の記録』では死刑囚の心をなぐさめた教誨師が、死刑囚の実情を書き表すことで死刑囚の供養とする。
感想・レビュー
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7
田中一雄手記「死刑囚の記録」巻末に、大逆事件関係者の死刑執行の状況が記されている。幸徳秋水をはじめ、皆一様に悠然と旅立った様子。ある者は最期の一服で頭がぐらつくと笑い、ある者は腹が減ったと羊羹とミカンを食した後、散歩に出かけるように刑場に臨んだ。思想に殉じる喜びと、共に逝く同志がいることが、死を従容と迎え入れた理由だろう。2019/01/09
