内容説明
米国が軍事覇権を将来にわたって維持・強化するためには同盟国との軍事協力が不可欠で、指揮統制のために高い相互運用性と軍事技術の標準化が必要となり、どこまで米国の兵器、技術、情報を同盟国に与えるかが問題となる。日本は米国の攻勢に対していかなる選択肢を持ち、どう対処すべきか。
目次
第1部 軍事産業の構造転換(米国―急激な縮小・再編成;欧州―米国の攻勢と防御的な縮小・再編成;日本―変化しない産業構造)
第2部 軍事技術研究・開発の焦点(急増する米国の国防研究費の隠れた狙い;9・11以後の米国の科学技術政策―戦略なき日本の漂流)
第3部 軍事技術移転の実態(日米イージス艦共同開発の限界―軍事技術譲渡に消極的な米国;イージス・システム日米研究の舞台裏―アーミテージ氏の政権離脱が落とす影)
第4部 相互運用性・標準化の政治―制度と日本の選択肢(米国の軍事技術移転管理体制―審査・移転実務メカニズムと日本の選択肢;アングロサクソン五カ国同盟における軍事協力・協働関係―相互運用性・標準化の政治と日本の安全保障戦略へのインプリケーション)
第5部 相互運用性・標準化の政治―新たな動向と日本の選択肢(国際民間組織NCOIC―官民協働で軍事覇権を強化する米国;多国間相互運用性協議会(MIC)への日本の加盟―正規加盟国の要件、応募手続き、主たる障害及びその克服策)
著者等紹介
松村昌廣[マツムラマサヒロ]
1963年、神戸市生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒。米オハイオ大学にて政治学修士号(MA)、米メリーランド大学にて政治学博士号(Ph.D.)取得。桃山学院大学専任講師、助教授を経て、同大学法学部教授。国際安全保障学会監事。専門は国際政治学、国家安全保障論。研究の焦点は日米同盟制作、防衛産業政策、軍事技術開発政策、秘密軍事情報保全政策。この間、ハーバード大学オーリン戦略研究所ポストドクトラル・フェロー、米国防大学国家戦略研究所客員フェロー、ブルッキングス研究所北東アジア政策研究センター客員フェローなどを務めた。「日本のRMA政策を考える」『国際安全保障』(国際安全保障学会)で同学会最優秀論文賞(神谷賞)、『軍事情報戦略と日米同盟』(芦書房)で同学会防衛著書出版奨励賞(加藤賞)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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