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内容説明
1972年1月、極寒の山岳ベースで総括死させられた遠山美枝子。彼女はなぜ非業の死を遂げなければならなかったのか。
目次
1章 二〇一八年三月一三日、横浜相沢墓地
2章 重信房子からの手紙
3章 ハマっ子、キリンビール、明大二部
4章 バリケードの中の出会い
5章 「きみが死んだあとで」
6章 赤軍派に加盟
7章 遠山美枝子の手紙
8章 新しい世の中を作るから
補章 伝説の革命家、佐野茂樹
資料
著者等紹介
江刺昭子[エサシアキコ]
1942年、岡山県に生まれ、広島県で育つ。女性史研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
35
『2022年の連合赤軍』で著者の深笛義也は、連赤事件における女性の証言の少なさが課題だと述べていた。その課題に『私だったかもしれない』は応える一冊となるかもしれない。本書は、総括された遠山美枝子の実像に迫るノンフィクションだ。事件の渦中にいた人物であっても、殺された者には声がない。声がないことを都合よく埋める識者もいたりする。その結果、間違ったイメージがあたかもそうであったかの如く塗り固められていく。著者はそんなイメージに縛られることなく、関係者に粘り強く接触し、信頼関係を構築、(つづく)2023/01/06
まんだよつお
6
江刺昭子の本は『樺美智子―聖少女伝説』以来だが、今回も貴重な関係者の証言から遠山美枝子の生きざまを描き出す手法は見事。それにしても遠山美枝子と重信房子。二人を知る人物の一人は、どちらが主でも従でもなく、光でも影でもなく「双璧」だったという。出会うべき二人が出会ったとしか言いようがないのだろう。「わたしたちが新しい世の中を作るから見ててね」と言い残して、山岳ベースに赴く遠山。1972年1月7日没、25歳。2024/04/22
猫草
5
もし10年早く産まれていたら…私だったかも知れないとずっと思ってて、赤軍派の本を読み漁っていた時期がある。遠山美恵子にスポットを当てた本は初めてだろう。山岳ベースでの粛清についての本も読んでいたが、この本で遠山のイメージが大きく変わった。圧倒的な男性上位の活動の中で、女が男を支えるという構図から抜け出そうとする女たちの対立…永田洋子の女独特の嫉妬としか思えない仕打ち。いつの世も、女の敵は女だ。暴力革命の幻想に取り憑かれた活動家たち…で片付けられない切迫感を感じる。2022/09/17
モモイロペリカン
2
自分の親よりも上の世代の方々のことですが、遠くのことには感じられず。学生運動の話はもっと聞きたい。若松監督をはじめ、上野千鶴子、三田誠広など、今まで別ルートで興味を持った人たちが当時共闘に関わっていたと知り驚きでした。自分がこの時代にいたとしても、運動には参加せずに観察しているだけだと思います。正義感は絶対大切だけど、捻れて視野が狭くなるのは怖い。2023/06/28