内容説明
女が置かれた谷間から出て行こう―女たちをつれて。「女は天の半分をささえる」と称えられた中国の女性解放。その内実とは、徹底して「女」であることを否定することだった。―自らの生活実感を基盤に「女に向かう」ことを提唱しつづける現代中国女性学の開拓者・李小江の同時代史。
目次
女に向かって(女に向かって;根なしの耐え難さ;心の故郷を求めて;あなたはどこから来たの…;マルクス主義の「帽子」;「女と家政」の風波 ほか)
付録1 中国における新時期の女性運動と女性研究
付録2 日本の「中国女性史研究会」との交流会
付録3 わたしはなぜ95年世界女性会議NGOフォーラムへの参加を拒絶したか
著者等紹介
李小江[リショウコウ][LiXiaojiang]
1951年生。中国河南省・鄭州大学にて教鞭をとるかたわら、1983年、論文「人類の進歩と女性解放」を発表。以来、民間女性研究団体「女性学会」の設立、鄭州大での女性研究センター設立、『婦女研究叢書』の創刊など、中国女性学のパイオニア的存在として活躍している。96年以後鄭州を離れ、現在は北京在住。代表的な著書に『イヴの探索』(河南人民出版社、1988年)、『女性の出路』(遼寧人民出版社、1989年)、編著書に『性別と中国』(北京三聯書店、1994年)、『女性研究運動―中国のケース』(オックスフォード大学出版社、1997年)など多数
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