内容説明
こころの働きには脳神経シナプスのダイナミックな結合や切断が重要な役割をなす。それをはじめて体系的に論じたヘッブの記念碑的な著作。心理学や神経科学、情報科学に与えた影響は計り知れない。上巻では、著者の問題意識と研究の設定、そして知覚のメカニズムから学習行動の神経機構について論じる。
目次
1章 問題とその取り組み方
2章 知覚における加算性と学習
3章 場理論と等能性
4章 知覚の初期段階―集成体の成長
5章 複合対象の知覚―位相連鎖
6章 学習能力の発達
7章 学習に関係した高次と低次の過程
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬弐仟縁
3
文理両刀使いの教養人(7ページ)。ゴシック太字箇所(他も有)で、興奮したニューロンは活性化したそれへの経路をつくる。この反復で神経経路に有力な働きをもたらす(13-14ページ)。評者は呑兵衛の人に対してはネットワークが途切れるからあーはなりたくないと思って過ごしている。酒は適量でないと。動物実験あり、数学、脳科学、心理学、教育学、生理学など多彩。学際性を直感できる好著。学習効果(能力発達:第6章)で最初期は下等動物より高等動物の方が時間がかかる(259ページ)。寿命の長短の原因か。発達は一筋縄にいかない。2012/12/30