内容説明
本書の目的は文学史の表面から消えてしまった作品を救済することではない。消えるべくして消えた作品は無数にあるし、それはそれでよい。この論文集で私たちは再発掘に値する作品を取り上げた。
目次
1 散乱する焦点(『美しき敗者たち』―レナード・コーエンの華麗なる孤独;伝説への挑戦―ウィリアム・ゴールディング「蠍の神様」 ほか)
2 死角への眼差し(論じつくされた作家ポウの「使い切られた男」―神なき身体“the nondescript”もしくはゼロ人称としての「私」;隠れたユダヤ小説―ライオネル・トリリングの短編二編 ほか)
3 栄光なき異才たち(死と乙女―世紀末を駆け抜けた詩人アーネスト・ダウスン;遙かな場所の彷徨者―W・L・ボウルズのソネットについて ほか)
4 断絶と復興(象徴としての数―アンドルー・マーヴェルの「アプルトン邸、フェアファクス卿に」;チャップブック―シンデレラ物語の系譜 ほか)