内容説明
本書は、スーパーバイザー山上敏子によるケース・カンファレンスの記録であり、心理療法を学ぶための学習書ともなっている。下山研究室の若手臨床家たちが持ちよったのは、強迫性障害を中心に、発達障害が並存するケース、強迫性緩慢を呈するケース、統合失調症が疑われるケース等、さまざまな症状を抱えた6ケース。臨場感あふれるやりとりの中で、アセスメントから介入まで、理論を学ぶだけでは上達することの難しい心理療法の技術の使い方が、各ケースの現実に即して具体的にわかりやすく示される。さらにそこからは、個別のケースを超えた、心理療法を実践する上での指針ともなる普遍的な真実も伝わってくる。
目次
序章 カンファレンスのはじめに―臨床と方法
第1章 初期段階で的確に情報をとり、問題を見立て、介入方針を立てる―妄想様強迫観念を呈するケース
第2章 悩みと区別して症状をとり、治療に結びつけていく―うつ状態を併発するケース
第3章 思考障害を把握し、医療と協働して現実的な対応をする―統合失調症が疑われるケース
第4章 症状を見極め、状況改善に向けて行動処方をする―強迫性緩慢を呈したケース
第5章 医療と協働して生活をサポートする―統合失調症であったケース
第6章 長期的生活支援に向けて引き継ぎの準備をする―発達障害が並存するケース
終章 カンファレンスで学んだこと
著者等紹介
山上敏子[ヤマガミトシコ]
三野原病院精神科医師。1962年九州大学医学部卒業、1963年九州大学医学部神経精神医学教室入局、1969~1970年米国テンプル大学留学、1974~1984年九州大学医学部講師、1985~2001年国立肥前療養所臨床研究部長、2001~2007年久留米大学文学部教授、早良病院を経て、2014年より現職
下山晴彦[シモヤマハルヒコ]
東京大学大学院臨床心理学コース教授。1983年東京大学大学院教育学研究科博士課程退学、1997年東京大学博士(教育学)、1991年東京工業大学保健管理センター専任講師、1994年東京大学教育学部教育心理学科助教授を経て、2004年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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