内容説明
代替服務制の獲得からその先へ。
目次
1 軍隊を拒否できるって?
2 兵役拒否にも系譜がある
3 良心を問われて
4 平和と非暴力を想像する
5 二等兵が打ち上げた小さな平和
6 多様な「臆病者」の登場
7 父は朴露子を読みはじめた
8 兵役拒否者の賢い(?)監房生活
9 兵役拒否を断念するということ
10 兵役を拒否できるひとがほかにいるだろうか?
11 失敗が道となるように
12 「お前らには銃弾を使うのももったいないから包丁で刺し殺してやる」
13 監獄へいく男、差し入れする女?
14 戦争受益者を止めろ!
15 難民を選択する人びと
16 「兵役法」の変化
17 代替服務制が導入されるまで
18 批判を超え、代案を語る
19 「偽」兵役拒否者、「偽」難民、「偽」トランスジェンダー?
20 代替服務という出発点
著者等紹介
イヨンソク[イヨンソク]
1980年生まれ。韓国の兵役拒否者。平和運動団体「戦争なき世界」のアクティビスト
森田和樹[モリタカズキ]
1994年生まれ。同志社大学大学院社会学研究科博士後期課程所属。専攻は歴史社会学、朝鮮現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kyon0517
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推しの兵役を通じて社会の眼差しと本人たちの覚悟や除隊後の表情を見ると兵役へ行くことへのポジティブな意味付けはすごく大きいんだろうと感じていた。 その上で兵役拒否を決める本人たちに強さを感じてしまう。その強さと認識されるものにも構造的な課題がある、ここが目から鱗だった。男性に割り振られる兵役を拒否する本人=男性がフォーカスされ同じ活動に関わる女性がケア的な立場と認識される。軍事主義の中にある家父長制、社会運動の中にあるジェンダー化された分業構造が照らし合わせのように出てきて、構造の影響力の大きさを感じた。2025/08/21
ちり
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“もし「兵役拒否」を「国家による強制的な徴兵に対する拒否」と定義するなら、男性だけの徴兵制を採用している韓国の状況において兵役拒否は男性だけができる行為となるだろう。しかし、「兵役拒否」をより幅広く「戦争につながる構造に抗する行動」とみなすならば、その行為主体は直接的に徴召集の対象になる人びとだけに限られない広がりをもつ。また、これは「反戦」を日常的な次元において考えることにもつながる” 2023/11/30