内容説明
世界的な反乱が呼びかける生と政治の新たな転換点。「脱構成」とはなにか?
目次
脱構成のために―五つの断片
脱構成という共通の地平―イ・オッラ「新たなパルチザンの形象」への導入
パルチザンの新たな形象
脱構成的権力―未完の時系列
蜂起以後の人種的裏切り者、アイデンティティポリティクス、そして革命的地平
アメリカの荒地を文明化する
3・11以降の絶滅と統治―非対称的コミュニズムのために
石牟礼道子のポリティクス
マテリアルな霊性、あるいは聖なるものたちのコミュニズム
ベルクソニアン・アナーキズム宣言
平岡正明「犯罪=革命」論の脱構成的総括―神的な喜劇としての
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tom
6
以前は夜光社から刊行されていたが、このⅡから以文社刊行になる。久しぶりにアナキズムを読むと蒙を啓かれるような感覚におちいる。脱構成とは支配の否定だ。近代的な民主主義が誕生してから250年に迫ろうとしている。西側先進諸国は「よりよい統治」を目指して歩んできたはずだが、2023年の現実はどうだ。日本は言うまでもなく、アメリカも他の西側諸国も行き詰まっている。そのようななかで、本書は「制度」そのものからの脱却を訴える。全収録コラムが刺激的でたまらなくなる。同時に自分の勉強不足も思い至らされる。2023/08/19