不確実性の人類学―デリバティブ金融時代の言語の失敗

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  • サイズ 46判/ページ数 281p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784753103584
  • NDC分類 338.1
  • Cコード C0010

内容説明

国民国家の枠組みを超える、現代の金融市場を成り立たせるものとは何か。市場の「装置」と「エートス=不確実性の想像力」のずれに着目し、グローバル金融とデリバティブの論理に抗する「進歩的分人主義」の可能性を探究する人類学的考察。

目次

第1章 約束型金融の論理
第2章 企業家の倫理と金融主義の精神
第3章 金融機械のなかの幽霊
第4章 聖なる市場
第5章 社会性、不確実性、儀礼
第6章 カリスマ的デリバティブ
第7章 分人の富
第8章 金融のグローバルな野望
第9章 契約という約束の終わり

著者等紹介

アパドゥライ,アルジュン[アパドゥライ,アルジュン] [Appadurai,Arjun]
1949年、インドのボンベイ(現在のムンバイ)生まれ。シカゴ大学大学院博士課程修了、PhD.シカゴ大学、イェール大学などで教鞭を取り、現在、ニューヨーク大学メディア・文化・コミュニケーション学教授兼IPK(Institute for Public Knowledge)のシニア・フェロー。また、アメリカ芸術科学アカデミーの研究員を務める。専門は文化人類学、南アジア地域研究、文化理論

中川理[ナカガワオサム]
1971年徳島県生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(人間科学)。現在、立教大学異文化コミュニケーション学部准教授。専門は、文化人類学

中空萌[ナカゾラモエ]
1983年東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、広島大学大学院国際協力研究科講師。専門は、文化人類学、科学技術社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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roughfractus02

6
国民国家の管理を超えたグローバル市場の不確実性を注視する著者は、リーマンショックで注目されたデリバティブ取引を不確実な未来について約束する言語行為と要約する。従来この行為は装置と心性の2面から分析されるが、著者は両者のズレが資本を拡大させるとし、さらに市場があるのではなく取引によって作られると捉えた。ここから本書は、トレーダーが債務者個人をデジタルデータに切り分けて個人を分人化し、貧富の差を広げる捕食的分人主義に対し、理想的分人主義の具体例を挙げ、個人としてでない「不確実性の想像力」の別の用法を提案する。2024/05/04

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