内容説明
民主主義が地球規模の全面的勝利を謳うなか、いまや誰もが民主主義に疑念を抱き始めている。現代を代表する8人の思想家に投げられた民主主義をめぐる「不可能な問い」彼らはそれにいかに応答するのか?空転する思考に揺さぶりをかける8つの根源的考察。
目次
民主主義概念に関する巻頭言(ジョルジョ・アガンベン)
民主主義という紋章(アラン・バディウ)
永続的スキャンダル(ダニエル・ベンサイード)
いまやわれわれみなが民主主義者である(ウェンディ・ブラウン)
終わりある/終わりなき民主主義(ジャン=リュック・ナンシー)
民主主義諸国対民主主義(ジャック・ランシエール)
民主主義、売出し中(クリスティン・ロス)
民主主義から神的暴力へ(スラヴォイ・ジジェク)
著者等紹介
河村一郎[カワムライチロウ]
1967年生まれ。早稲田大学プロジェクト研究所客員研究員。科学哲学
澤里岳史[サワサトタケシ]
1968年生まれ。早稲田大学(文学学術院)非常勤講師。哲学
河合孝昭[カワイタカアキ]
1969年生まれ。早稲田大学(文学学術院)非常勤講師。哲学
太田悠介[オオタユウスケ]
1980年生まれ。東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程およびパリ第八大学哲学科博士課程所属。社会思想史
平田周[ヒラタシュウ]
1981年生まれ。東京外国語大学大学院地域文化研究科およびパリ第八大学哲学科博士課程所属。社会思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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madofrapunzel
3
★★★★★ まず論客のすごさ!えぇぇこんだけのメンツ集まったかみたいな。 あとは、各々それぞれの思想が短い論文の中にわりと端的におさまっていて、とてもいい本だと思います。ベンサイードのバディウ・ランシエールのまとめもいい。 現代政治を原理的に考察するにもってこいの一冊。2011/12/07
mikuriya
2
読み応えのある本だった。ジャック・ランシエール目当てで買ったら、十頁しかなくしかも対談(議論)形式だったのがちょっと残念。2014/11/07
Teo
2
民主主義を育ててきた西欧でなおこれだけの民主主義に対する解けぬ問題とその考察。突如海外から貰った民主主義ではとても扱いきれない日本との差を感じさせる。2011/05/13
Э0!P!
1
短い割に思ったより難しい。なぜ民主主義が混沌としているのかについて著名な思想家たちが分析する。言葉の定義の問題。(理念なのか制度なのか) そもそもの理念の問題。(誰もが納得する根拠を持たない。突き詰めると必ず矛盾する。) その上でどうしたらいいのかというと攻めあぐねている印象。共産主義が解決策として浮かび上がるが、それも自信をもっていうことはできなくて、革命自体はありかも、右翼ポピュリズムは最悪。それくらいの立ち位置でみんな悩んでいる印象。少なくとも民主主義万歳という立場は誰もおらず大変勉強になった。2023/08/27
🍕
0
(非)民主主義の抽象的な理念を散文的に論じる文章がおおくて掴みずらかった2020/10/04




