内容説明
白泉の人生の全貌と、傑作の斬新な読み解き。
目次
白壁の穴より薔薇の国を覗く
熔岩は太古のごとく朝焼けぬ
街燈は夜霧にぬれるためにある
三月の蒼穹にゐて事務とれる
れうらんと咲きみだれたる魚を売る
昆虫のごとく自動車灼けゐたり
自動車に昼凄惨な寝顔を見き
冷房へ華氏九十度の少女入る
鶏たちにカンナは見えぬかもしれぬ
赤き犬ゆきたる夏の日の怖れ〔ほか〕
著者等紹介
川名大[カワナハジメ]
昭和14年(1939)千葉県南房総市生まれ。早稲田大学第一文学部を経て、慶応義塾大学・東京大学両大学院修士課程にて近代俳句を専攻。三好行雄、高柳重信に師事。富澤赤黄男・渡邊白泉・西東三鬼らの推進した新興俳句を研究対象としつつ、近代俳句の軌跡を俳句表現史の視点から構築。東京都立三田高等学校・聖光学院中学校高等学校(横浜市)教諭、東京都公文書館史料編纂係などを務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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