感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
18
曲芸を強いられるくまと、くまを自由にできるのだとうそぶくザンバーノの、コントのようなお話です。 サーカスといいながら大道芸のようだし、ハエ一ぴきで関係性は壊れるし、ザンバーノは宇宙衛星のようになっちゃうし、おまけにこれは実話だなんて言ってるし、なんとも人を食った絵本です。 それでも、全く話には関係ないキャラクターが、絵の中で飛び回っていて、楽しんじゃっています。 不思議に気になる絵本です。2021/02/05
魚京童!
12
こういうの好き。気分が乗らないけど。何がしたいのかわからない系。人間の理性を超える系。でも昔は私もこうやって考えていたのかもしれない。今は型にはまった考え方しかできないのかもしれない。年を取ったものだ。不自由になってしまった。2020/03/22
ふう
7
くまがザンパーノを飛ばしちゃう理由がいい。ザンパーノまだ飛んでるのかな。くまがのんびり幸せに昼寝してる上を飛んでるかと思うと笑いがこみあげてくる。2019/06/01
遠い日
2
クマと、クマを使ってサーカスの見せ物をするザンパーノという男との対比を、淡々と描く。クマを飼い馴らすことで、力を見せつけるザンパーノの愚かさが鼻につく。見ている聴衆の反応も画一的。そんなところへ起きた偶然のアクシデントが、クマを解放し、ザンパーノを呪縛したことへの恐ろしいまでにあっけかんとした語り口が、いっそ怖い。「ほんとうにあったお話」ということばが、読み手までを縛るのだ。2014/09/22
くるた
2
人間に威張り散らされていたサーカスのくまが、偶然にも人間より強いことを証明し、最後は自由になって森で暮らす。ポイントは、くまがサーカスのおじさんを遠くへぶん投げたのが偶然であるという所かなと。やり返したとか、ざまぁみろみたいな描写が一切ない。ラストも森で平和に日向ぼっこ。でも森に住むおじいさんは「近づかないほうがいいらしい」と言う。この辺が、単に「嫌がることをしてはいけません」みたいな内容に留まらないこの絵本のいい所かと。野性動物と人間の共生。あとはサーカスを見ていた聴衆の単純な思考も皮肉ってますよね。2014/06/27