内容説明
ぼくはたんぽぽのわたげになろう。きみがそらへとばす―。いま、ひとりでいるあなたへ。内田麟太郎とうえだまことが贈る詩の絵本。
著者等紹介
内田麟太郎[ウチダリンタロウ]
福岡県生まれ。絵本作家、詩人。『さかさまライオン』(童心社)で絵本にっぽん賞、『うそつきのつき』(文溪堂)で小学館児童出版文化賞、『くじらさんのーたーめならえんやこーら』(鈴木出版)で日本絵本賞受賞
うえだまこと[ウエダマコト]
植田真。静岡県生まれ。画家。絵本や装画を多く手がける他、絵画制作、ライブペインティング、音楽など幅広く活動。『マーガレットとクリスマスのおくりもの』(あかね書房)で日本絵本賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
のっち♬
143
「ぼくにはことばがない きみにかけることばがない」と、震災に被災した子供達へ寄せた内田の詩を絵本化。言葉を紡ぐことでかけ離れた存在へ繋げようとする著者の思いが風となり、祈りがひばりのはばたきとなって表れている。最低限の実に柔和な言葉と、「はげますような思い上がった詩はかけません」「そばにいるよ」という内田の謙虚なジレンマと寄り添う姿勢に強い共感を示した植田のセピア色の作画は相乗効果を発揮しており、読者をホッとさせるような素朴な温かみをじんわりと充満させていく。柔らかな親しみやすさを体現した好コラボの一冊。2023/07/06
やすらぎ
133
内田麟太郎さんと植田真さんの素敵なコラボ絵本。寄り添うしかない。今はそれしかできないのだから。花を咲かせることならできるかも。まだ早いかもしれないけど。俯くことしかできなくて、見上げることもできなくて、言葉は見つからない。綿毛のように祈りを届けることもできない。ひばりのように飛び回ることさえも。大震災を経験した子どもに捧げるメッセージ。風のように流れていくこの想いも、きっと通じ合えるときが来るから。赤い洋服と白いスカート、大自然の中でひとり縄跳びで遊ぶ少女の鮮明さが、繰り返し読むことで切なさを増していく。2026/03/23
ちゃちゃ
116
深い哀しみの淵に沈む人を前に、私たちはかける言葉を失う。どんな励ましの言葉も宙に浮いたまま、その人の心に容易に届かないことを知っているからだ。ただ、寄り添うこと、傍で痛みを感じること。「ぼくには ことばがない」で始まるこの絵本は、「大震災にあった子どもをはげます詩」だという。「ぼく」は、少女が吹き飛ばすたんぽぽのわたげになって、少女の言葉をひばりに届ける。うつむいたままの少女が一瞬でも空を見上げてくれるように。わたげを吹き飛ばす力が大空に届き、明日を生きる力に繋がるように祈りながら。2021/05/24
アキ
85
うえだまことの原画展に行ってきました。http://hibikikan.com/free/exhibition3 そこで朗読DVD上演会を体験しました。この絵本の詩は、内田麟太郎が2012年に震災に遭った子どもに向けて書いたものです。そこにうえだまことさんが素敵な絵を描きました。購入したのは著者おふたりのサイン本です。うえだまことさんのイラスト付きでした。うっとりするような時間を過ごしました。女の子がふいた風が、あなたの元へも届きますように。2021/06/26
ふぅわん
64
【顔をあげて欲しいから】大震災にあった子どもを励ます詩。セピア色の絵、ふと上を見上げてもらえるように繋がっていく絵と詩。優しいなあ。言葉で人を救うのは難しい。気持ちそのものをどう伝えるか、心を全て映しだせる言葉があればいいのに。人に寄り添うとは、この絵本そのものかも。2021/08/14




