出版社内容情報
クラゲには、星に伝えたい言葉がありましたが、再び流れてくるのを待つ間に老いてしまって……? クラゲと流れ星の愛しい物語。
安東みきえ/文 吉田尚令/絵
小学校低学年から
内容説明
ちっぽけなクラゲと、ひとりぽっちで旅するほうき星の切なくも愛しい物語。
著者等紹介
安東みきえ[アンドウミキエ]
山梨県甲府市生まれ。1994年、「ふゆのひだまり」で第11回小さな童話大賞(毎日新聞社主催)を、「いただきます」で、同選者賞今江祥智賞を受賞。2000年刊行の『天のシーソー』で、第11回椋鳩十児童文学賞を受賞
吉田尚令[ヨシダヒサノリ]
大阪府生まれ。絵本の作画を中心に活動。『希望の牧場』(森絵都作/岩崎書店)で、IBBYオナーリスト賞を受賞。絵本作品の他、挿絵を手がけた作品など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
153
ほんとうに伝えたい大切なことは、いつも上手く言えないんだ。ことばは遅れてやってくる。ほんとうは、きっと何ていっても君に伝わらない気がする。心にあふれているものはもっと、大きくて、深くて底が見えなくて、圧倒的で、ぼくはいつもその前で茫然と立ち尽くしてるんだ。そんなとてつもないものをどうして上手にことばにのせられるだろう。でも伝わってほしい。大切だから。君が、とっても、大切だから。2020/03/27
紫綺
105
星とクラゲの、気の遠くなるくらい壮大で時をかけた、でも愛のこもった伝言ゲーム。まあるいクラゲが一途でいとおしい。2018/10/07
aquamarine
95
テレビで紹介されていて手に取りました。ある夜、クラゲがほうき星に出会い、一晩を共に過ごします。「何百年かたったら、とおるかもしれません」そう言って流れて行ってしまったほうき星に、胸がいっぱいで言いたいことが言葉として出てこなかったクラゲ。このイラストをみているだけでも、泣きそうになります。さて、クラゲは伝えることのできなかった言葉を伝えることができるのでしょうか。…とてもとてもとても良かった。お話も絵も素晴らしかった。今の私に必要だった、出会えて良かったと思えた素敵な絵本です。2018/10/02
chimako
93
クラゲのように透きとおった安東さんのお話に、優しい色使いとタッチの吉田尚令さんの絵がマッチした透明感のある一冊。「だいすき」と言う言葉はこうしてつながってきたんだね。だから我々の心のなかには「すき」が詰まっているんだね。2018/12/20
ふう
90
『呼んでみただけ』にお話だけ載っていました。絵本があると知り、図書館に予約して待つこと数か月。クラゲよりずっとずっと短いけどやっと会えました。とてもきれいで、とてもやさしくて、少し悲しい、わたしたちの心のお話でした。「すき」ということは、こんなに永遠で大切なものなんですね。何度も何度も読み返しました。2019/05/24