内容説明
知識と知恵って、どう違うんですか。考える楽しみに満ちた19編。
目次
文章修行(高峰秀子)
美しい言葉とは(茨木のり子)
まんじゅうの皮とあん(国分一太郎)
昔ばなしの世界(島尾敏雄)
パロディ思案(井上ひさし)
「哲学」ではない。だからこそ力に満ち(池田晶子)
「なぜ」をあたため続けよう(日高敏隆)
おいしい仔犬(戸井田道三)
知魚楽(湯川秀樹)
塩一トンの読書(須賀敦子)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
86
「中学生までに読んでおきたい哲学」ということですが、哲学というよりもエッセイのような気がします。南伸坊さんの絵が印象的です。高峰秀子さんの「文章修行」から始まり、三遊亭小圓朝の「あくび指南」まで19名の小文が楽しめます。とくに茨木のり子さん(美しい言葉とは)、日高敏隆さん(「なぜ」をあたため続けよう)、白洲正子さん(智恵というもの)、渡辺一夫さん(教養について)が印象に残りました。2022/09/05
エムパンダ
14
渡辺一夫『教養について』に「教養がある」ということは、「他人を困らせないこと、窮地に陥れないこと」「思いやりがあること」ではなかろうか、とある。他人をやたらに追い込まないことを教養とする考え方にとても感じ入った。これをもっと早くに知っていたら、私のこれまでの働き方はもっと生きやすいものであっただろう。読めてよかった。随筆を中心に19篇収録。2021/07/07
杏子
10
とうとうこのシリーズも最後に… この巻は知恵について。茨木のり子、井上ひさし、河合隼雄、澁澤龍彦あたりが面白かった。文章が好みのタイプなので… 東北の方言や昔話について語った作品もよかった。(まんじゅうの皮とあん/昔ばなしの世界) 難しいものもある。知恵について書いただけに、これは中学生では読み通せないのでは?というのもあった。全部読まなくても、気になるのだけ読むというのもあり、だと思う。全8作読破したが、とてもいいシリーズということがわかったので、勤務先の中学校用に購入しようと思う。2013/07/03
けんさき そのこ
6
新聞広告で紹介されていて、図書館で予約。意外に予約が入ってて驚く。さて中学生が読みこなせるかは微妙だが、自分の気になるものだけ拾い読みしても面白いかも。人生の先輩達の色々な考え方が読める。大好きな詩人の一人、茨木のり子氏の文章はストンと心に落ちた。杉浦日向子氏の粋については、芝居好きとして共感しかり。白州正子氏の人間を知るとは幸福とともに不幸も背負いこむ覚悟が必要というのも深い。2013/02/11
仮ッ子
6
茨木のりこの「美しいことばとは」が、すばらしく力強く良かった。詩人の言葉に対する澄み切った瞳。容赦なく鋭い。岡本太郎のも良かったなぁ。2012/07/21