内容説明
雑誌「赤い鳥」に創刊から関わり、「赤い鳥小鳥」など、今なお歌いつがれる、多くの童謡を残した北原白秋。詩、短歌、童謡と幅広い分野で活躍した詩人の代表作をわかりやすく紹介します。
目次
「わが生いたち」より
空に真っ赤な
片恋
海雀
薔薇二曲
雪に立つ竹
雪後
雪後の声
庭の一部
雀よ
風
落葉松
露
あてのない消息
言葉
五十音
空威張
赤い鳥小鳥〔ほか〕
著者等紹介
萩原昌好[ハギワラマサヨシ]
1939年神奈川県に生まれる。東京教育大学、同大学院を卒業後、埼玉大学教授、十文字女子大学教授を経て、現在に至る。宮沢賢治学会イーハトーブセンター会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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syota
28
白秋の詩というと、昔「邪宗門」を読んだ時の、耽美的でエキゾチックだけれど時代がかっているという記憶が頭にあり、当時は最先端だったのだろうが今となってはなあ、などと思っていたが、本書を読んでだいぶ印象が変わった。定型詩から自由詩に変わるとともに人工的な異国情緒が影を潜め、素直で繊細な叙情詩になっている。かなり気に入った。童謡も、改めてゆっくり読んでみると、バタ臭さはあるもののなんともいえない懐かしさが心地よい。児童書とはいえ馬鹿にしたものではない(私の詩の読解力がその程度だということもあるけれど^^;)2016/09/11
荒野の狼
8
北原白秋の詩22を丁寧な脚注と1ページの簡潔な解説とイラストで紹介する88ページ。本の縦は普通の単行本ほどで、横幅は少し長く正方形に近い、薄いので手に取った感じは絵本に近い。赤と黒の二色刷りですっきりとした体裁は詩集にふさわしい。本シリーズは子供に父母や教師が推薦するという意味もあり、選ばれた詩は全年齢層に適当だが、一部の詩は禅に通じるような思想的背景を要するものもあり大人の鑑賞にも十分に応える内容。2017/01/11
遠い日
8
白秋はいい。静かで澄んだことばが、わたしを懐かしい世界に連れて行ってくれる。やっぱり「落葉松」の寂しさに立ち尽くす心情に胸絞られるし、「赤い鳥小鳥」は童心に還る。子どもたちに決まって歌った子守歌の「揺籃のうた」は、一気にその当時のことが眼に浮かぶ。「この道」「からたちの花」は、わたしの子ども時代が重なっていく。しばし、トリップしていました。2017/03/06
彩灯尋
7
知らない人だと思ってたけどいくつも知ってる童謡があった。何気ない風景をきれいに見せてくれる。きっとこの風景はこれからいくら年月が経っても、色褪せることはないだろう。2016/12/10
たまきら
7
詩だけでなく、受け取り方の一例が書いてあるところが初心者にはいいのかもしれない…けれど、個人的には読み方を先に教えてほしくないな。2015/08/19