内容説明
せかいいちあまくて、おいしいのいちごをみつけるんだ。みんなにないしょでしゅっぱつした、ニコラスをまっていたのは…。
著者等紹介
レオーニ,レオ[レオーニ,レオ][Lionni,Leo]
1910~1999年。1910年、オランダのアムステルダムに生まれる。イタリアで広告関係の仕事をした後、1939年に渡米。絵本作家として、また国際的なデザイナーとして活躍
谷川俊太郎[タニカワシュンタロウ]
1931年、東京に生まれる。1952年、第一詩集『二十億光年の孤独』を発表し、注目を集める。以後、詩、絵本、翻訳など幅広い分野で活躍。主な著書に『マザー・グースのうた1~5』(日本翻訳文化賞受賞・草思社)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kawai Hideki
74
レオ・レオニ強化週間だが、娘の第一声は「え〜、またネズミの絵本?」だったので、本人はちょっと食傷気味かもしれない。甘くて美味しい野いちごはネズミの好物だが、本当においしい実は鳥達がみんな採ってしまう。ネズミ達は「鳥たちなんか くたばれ!」と、穏やかでない。ネズミのニコラスは、未発見の野いちごを見つけに向かうのだが、大きな恐ろしい鳥にさらわれ・・・。ステレオタイプで他人を判断するのは駄目だよ、というお話なのだが、結構、ヘイトスピーチや鳥-ネズミ戦争の描写が生々しく、作者の中でも消化しきれていない感じがした。2016/07/31
つくよみ
49
図書館本:赤く熟れた美味しいのいちごは、全部鳥達が先に見つけて食べてしまう。鳥よりも早く赤いのいちごを探そうと、旅に出たのねずみ。道中、大きな鳥に攫われるもなんとか逃げ出し、別の親切な鳥のもとで養われる。やがて、別れのときが。仲間のもとに帰ったのねずみの話で、更に激昂する仲間達。しかしながら、のねずみは親切にしてくれた鳥達の話をして仲間を説得するのであった。あるものの一つの側面だけで、悪いと決め付けてはならないと言うことを教えてくれる本。2013/08/17
Y2K☮
44
絵本を毎月読む。白か黒かでは語れぬ入り組んだ人の世の解釈を時々はシンプルな視点から再構築したいのだ。「奪い合えば足りぬ、分け合えば余る」と言ったのは相田みつを氏か? 大切な野いちごを上空から鳥にさらわれた野ねずみたちの怒りはある意味で正しい。でも中には喜んで野いちごを分けてくれる鳥もいる。それ以上のことだってしてくれる。そういう連中に対しても「とにかく鳥は悪だ! 許せない」と暴力を振るうのであれば、むしろ野ねずみの方こそ傲慢なエゴイスト。〇〇党はダメじゃなくて、その中でいい主張をしている人に目を向けたい。2016/11/10
chiaki
42
担任の先生からのリクエストで2年生にて読み聞かせ。美味しい野いちごが食べたいねずみのニコラスたち。でも赤くて瑞々しい野いちごは全部鳥に食べられてしまう。「とりたちなんてくたばれ!」ねずみたちはそう叫び、ニコラスは美味しい野いちご探しに出掛けますが…。一部を見ただけで全部を知ったような気になること、私もある。2年生、とても真剣に聴いており、最後とても明るい表情をしていた。レオ・レオニ作品はメッセージ性が強くて、正直分かりにくいのもある中で、これは低学年さんにもしっかり伝わった手応えがありました!2021/06/02
Shoko
39
図書館。読み聞かせ。赤くて熟した野いちごはいつも鳥が採っていく。ニコラスたちネズミが食べているのは薄桃色で味気ないものばかり。「鳥たちなんてくたばれ!」まだ鳥たちに見つけられていない野いちごを探しに出かけたニコラスは大きな鳥に捕まってしまう。と、必死にもがいて空中に投げ出されたニコラスが落ちたのは3羽の雛たちがいる鳥の巣だった・・・。ネズミが鳥たちを襲う(実際には起こらない)ページは怖い。「怒りは不必要な悪だ」とは、先に読んだ「ハリネズミの願い」でアリが言った言葉だけど、これがまさにその通り。2019/11/08