怪物はささやく

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  • サイズ A5判/ページ数 220p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784751522226
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

ある夜、怪物が少年とその母親の住む家に現われた―それはイチイの木の姿をしていた。「わたしが三つの物語を語り終えたら、今度はおまえが四つめの物語をわたしに話すのだ。おまえはかならず話す…そのためにこのわたしを呼んだのだから」嘘と真実を同時に信じた少年は、なぜ怪物に物語を話さなければならなかったのか…。

著者等紹介

ネス,パトリック[ネス,パトリック][Ness,Patrick]
1971年、米国ヴァージニア州生まれ。南カリフォルニア大学卒業。1999年に渡英。一般向け読み物を2冊出版した後、YA向けの3部作“Chaos Walking Trilogy”シリーズを刊行。第3巻でカーネギー賞を受賞

ダウド,シヴォーン[ダウド,シヴォーン][Dowd,Siobhan]
1960年、英国ロンドン生まれ。オックスフォード大学を卒業後、国際ペンクラブで人権擁護などに携わる。デビュー作の“A Swift Pure Cry”でブランフォード・ボウズ賞を受賞。2007年に逝去。書きためていた3、4作目が死後刊行され、『ボグ・チャイルド』(ゴブリン書房)で2009年カーネギー賞を受賞

池田真紀子[イケダマキコ]
1966年、東京生まれ。上智大学卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェルナーの日記

449
本題が『怪物はささやく』だが、原題は”A Monster Calls"で直訳すると”怪物を大声で呼ぶ”になり、”ささやく”とはならない。主人公コナーは、どこにもいるようないたって平凡な13歳で母と2人暮らしのシングルマザーの少年だった。しかし、ある日母が重病を患っていることが判明する。しかもそのことを彼の周りの人たちが知ってしまった。それから彼に対する周囲の態度が一変する。まるで腫れ物を触るような態度。明らかに同情を示すような態度。コナーはそんな周囲の雰囲気に耐えられなかった。2017/03/23

🐾Yoko Omoto🐾

165
難病に冒され日増しに衰弱していく母、離婚して新しい家族を持つ父、反りの合わない祖母、同情とからかいの対象でしか自分を見ないクラスメート、毎夜見るとてつもない悪夢、そんな境遇に日々息苦しさを募らせるコナー少年。大切な人がいなくなる事への絶望や不安、怒りや嘆きという少年の心理を、怪物というファンタジー要素を用いることでより浮き彫りにし、残酷な現実と正面から向き合う勇気や、正解は常に一つとは限らない世の理を描いている。怪物が語る物語の寓意は非常に深く、大人にこそ読んでほしい素晴らしい作品。挿絵も魅力的だった。2018/01/09

nobby

151
なるほど、これは二人の著者によるリレーという経緯もふまえ、バトンを繋いでいきたい作品だ。そのタイトルや最初から頻繁に描かれるイラストの怪物から想像するファンタジーとは全く違う展開をみせる。少年コナーが対峙するのは、重篤な病と闘う母、学校での周囲からの望まぬ残酷な同情、ソリの合わない祖母など様々な葛藤ばかり。そこに突如現れた怪物は何故、誰の為にやって来たのか…ずっとコナーに語りかける「真実を話せ」という囁きが、ラストで明らかになっての哀愁がたまらない…そしてまた12時7分の意味に行き着き静かに頬をつたう涙…2018/02/06

neimu

137
偶然1日に人の死を取り扱う話を二つ読むことになった。これは今年の読書感想文の課題だったよう。となると、随分重い作品を選んできたなと。装丁もイラストもキツイ。ホラーのように見えて、心理学的には頷ける設定だが、心の成長、自立には余りにも辛い内容が盛り込まれているので、どう読み解けばいいのか、大人の立場としては少し考える。今、あまり娘には読ませたくないかな。こういう直面の仕方、心の旅路を辿らせたくないなと思った次第。2012/12/13

ケイ

130
「ボク・チャイルド」の作者のシヴォーン・ダウドが着想したものを、フィリップ・ロスが書き上げたのだと知り、再読してみた。そう思いながら読んでみると、ロスのダウドへの敬意が邪魔して、作品の流れがどこかぎこちない気がした。もちろん、良い作品ではあるのだけれど。ふんだんにある挿絵は、そういう縛りからは自由にのびのびしているようで、怖さ、孤独、そして見守る優しさが息づいている。黒しかないのに、段々とあたたかさの出てくる絵に、愛おしささえ覚える。2020/12/23

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