内容説明
それは、突然聞こえてきた。イギリスSF界の巨匠が最後にのこした傑作。
著者等紹介
ウインダム,ジョン[ウインダム,ジョン][Wyndham,John]
1903~1969。イングランド、ウォリックシャー生まれ。1951年、SFの名作『トリフィドの日』を発表し大成功を収める。以後、主として「宇宙からの侵略」をテーマにした作品群を発表し、英国SF界の巨匠としての地位を確立する
金利光[キムイグァン]
1945年、広島生まれ。京都大学英米文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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そうたそ
21
★★☆☆☆ 宇宙人による侵略もののSFで有名なウィンダムの最晩年の作品。これは知らなかったし、正直言ってすごく地味な作品。養子であるマシューが突如としてチョッキーなる空想の友人を手に入れたことからはじまるストーリー。SFではあるのだが、普遍的な親子愛の物語としても読むことができ、SFが苦手な人でも手に取りやすいとは思う。ただ個人的にはそもそもストーリーにさほど面白みが感じられなかった。他の著名な作品群に埋もれているのも納得というところ。2018/07/10
sabosashi
14
思春期、少年・少女期というものは、こころとからだのバランスの関係があやうくなり、情緒的にも不安定になる。妄想などにも囚われやすくなる。二重人格的な現象もありうる。 たとえば、もうひとりの自分というコンセプト。 イギリスの少ブルジョア家庭にて、自我以外の人格に苦しめられる子どもの話。 多くのひとは、思春期に特有の一過性のものであると見なすが、それにしてもあまりにリアル。 ところが、この別の自我なるものは異星体からのものであることが父子のあいだで了解される。 2019/12/23
よこ見
10
チョッキーという宇宙人と交信できるようになった少年と、その両親のお話。息子が想像上の友達と喋るようになったのではないかと心配する母親も、チョッキーは実在するかもしれないとの立場からあくまで息子に寄り添おうとする父親も、それぞれ我が子を気遣っていることが伝わってきて好印象。唐突に思う展開は多少あったが、親子の成長物語を軸に堅実にまとめた佳作だと思う。2022/09/18
スターライト
9
いや、まさか21世紀になって、ウインダム作品の新訳が出るとは…。姿の見えない宇宙人チョッキーと、マシュー少年との心温まる物語。スコルジーの『ゾーイの物語』は養女が主人公だったが、本篇のマシュー君は養子です。それはともかく、自分の息子が気がふれたのではないかと不安に思う両親が、いろんな人に相談し、親戚からは興味本位の目で見られる様子は、ちょっと胸が痛い。ラストも手際よく処理され、よくできたジュヴナイル。2011/05/09
timeturner
5
書かれたのが1962年なのでSF的な謎の部分は今読むと古臭い(現代人なら最初から見当がつく)けど、発表当時は斬新だっただろう。でも、それを除けば、周囲の人間と違う自分を持てあます少年の気持ち、大人たちの無理解と傲慢さ、子を思う親の気持ちなど、今読んでも十分に楽しめる内容。2014/08/19
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- 和書
- 戦国の城と館 九州の中世