優しい地獄

個数:
電子版価格
¥1,980
  • 電子版あり

優しい地獄

  • ウェブストアに31冊在庫がございます。(2024年10月06日 06時09分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 46判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750517513
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

『雪国』を読んだ時「これだ」と思った。

私がしゃべりたい言葉はこれだ。

何か、何千年も探していたものを見つけた気がする。

自分の身体に合う言葉を。



--------------------------------------



社会主義政権下のルーマニアに生まれたイリナ。

祖父母との村での暮らしは民話の世界そのもので、町では父母が労働者として暮らす。



川端康成『雪国』や中村勘三郎の歌舞伎などに魅せられ、留学生として来日。

いまは人類学者として、弘前に暮らす。



日々の暮らし、子どもの頃の出来事、映画の断片、詩、アート、人類学……。

時間や場所、記憶や夢を行ったり来たりしながらつづる自伝的なエッセイ。





《本書は、社会にうまく適応できない孤独な少女の記録であり、社会主義から資本主義へ移っていくルーマニアの家族三代にわたる現代史でもある》

内容説明

『雪国』を読んだ時「これだ」と思った。私がしゃべりたい言葉はこれだ。何か、何千年も探していたものを見つけた気がする。自分の身体に合う言葉を。社会主義政権下のルーマニアに生まれた孤独な少女は、日本に辿り着き、人類学者となった。祖父母の時代から現在へ、家族三代の記憶と現代史が交差する自伝的エッセイ。

目次

生き物としての本
人間の尊厳
私の遺伝子の小さな物語
蛇苺

マザーツリー
無関心ではない身体
自転車に乗っていた女の子
天道虫の赤ちゃんは天道を見ることができなかった
なんで日本に来たの?
シーグラス
ちあう、ちあう
透明袋に入っていた金魚
社会主義に奪われた暮らし
トマトの汁が残した跡
冬至
リボンちゃんはじめて死んだ
毎日の魚
山菜の苦み
優しい地獄 上
優しい地獄 下
パジャマでしかピカソは描けない
紫式部

著者等紹介

グリゴレ,イリナ[グリゴレ,イリナ] [Grigore,Irina]
1984年ルーマニア生まれ。2006年に日本に留学し2007年に獅子舞の調査をはじめる。一時帰国後2009年に国費留学生として来日。弘前大学大学院修士課程修了後、東京大学大学院博士課程に入学。主な研究テーマは北東北の獅子舞、日本で生活して女性の身体とジェンダーに関する映像人類学的研究。現在はオートエスノグラフィー、日本における移民の研究を始めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fwhd8325

72
ルーマニアと言えば女子体操の妖精コマネチですが、その国の独裁政治、そして崩壊はショッキングな出来事でした。アジアであればまだ、伝わりやすい面もありますが、東欧の国の出来事は表層的にしか伝わっていない。そ子に暮らしていた人たちのことは何も知りませんでした。著者はルーマニアから日本へ留学してきました。エッセイを読むと日本で暮らしていることとルーマニア人であることが融合されているように感じました。優しい地獄は彼女の娘さんが語ったフレーズで、今の時代を的確に捉えているように思いました。2022/09/09

しげ

69
3.11の震災当時、岩手遠野~釜石~大槌で数ヶ月業務にあたっていた頃、獅子舞の研究で東京の大学から大槌町に訪れている方々にお会いした事を思い出しました。「色んなフィールドワークが有るとなぁ」と感じました。青い瞳の方は居なかったので著者は含まれて無く残念に感じます。幼くもルーマニアで社会主義の崩壊と革命、チェルノブイリ原発事故を経験し、平和な日本は彼女にどう映るのか?と思い手に取りました。「優しい地獄」とは著書の娘さんの言葉を借りるならば「自己責任の民主主義」と言う所でしょうか2023/02/12

seacalf

66
岸本佐知子さんが「焚き火のように効く本」と評していたが言い得て妙、ルーマニア生まれの著者が日本語で書いているのだが、まさに焚火のように文章が身体に沁み入ってくる凄い体験が出来る。自然と一体だった少女時代、社会主義の歪みをもろに受けた町での暮らし、青春時代の葛藤、痛ましい話だけでなく、印象深い祖父母達とのエピソードや、田中泯さんの舞踏団時代の話、住んでいる青森の話、どこかハッとさせる発見の連続である幼い娘さん達の行動記録など興味深い話も多々あり。「水牛通信」では本編と後の連載、作者の映像も見ることができる。2023/03/04

藤月はな(灯れ松明の火)

66
これは本来なら埋もれるが、語られ、研究される事によって歴史の輪郭と細部が引き継がれていく「個」としての歴史だ。社会主義に覆われたルーマニアで生まれ、都市で両親と住むよりも田舎の祖父母と暮らす事が大好きだった作者。社会主義を「人間から宗教、アート、尊厳を奪ったら、その社会に何が残るのかと言う、一種の社会実験だったのではないか」という言葉とそのしわ寄せによる暴力を多くは騙らない事が、社会主義国で息を潜めて暮らしていた人々の重苦しさを象徴している。だが、彼女が待ち望んでいた資本主義も期待していたものではなかった2023/01/11

南雲吾朗

62
社会主義から資本主義社会への変換は人々に大きな変化をもたらす。どちらの社会が良いとか悪いとかではなく体制の変化は人々にとって過酷で困惑し生活基盤が揺らぐ。うまく適応していかないと馬鹿を見てしまう。社会主義で安定していた生活も、急に資本主義という競争社会に放り出されるとあまりの変化に戸惑ってしまう。同じ事柄にしても、ルーマニアの彼女と私とは感じ方、対応の仕方が違う。もちろん、共感するところもたくさんあるのだが。ひとつだけ確かなのは、この著者は自分の人生に誠実に向き合って生きているという事だと凄く感じられた。2022/11/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/19989562
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。