シリーズ:ブックスならんですわる<br> 青と緑―ヴァージニア・ウルフ短篇集

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シリーズ:ブックスならんですわる
青と緑―ヴァージニア・ウルフ短篇集

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  • サイズ B6判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784750516929
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

〈 じつに、ウルフ的、もっとも、実験的。〉



イマジズムの詩のような「青と緑」、姪のために書かれたファンタジー「乳母ラグトンのカーテン」、園を行き交う人たちの意識の流れを描いた「キュー植物園」、レズビアニズムを感じさせる「外から見たある女子学寮」など。



短篇は一つ一つが小さな絵のよう。

言葉によって、時間や意識や目の前に現れる事象を点描していく。

21世紀になってますます評価が高まるウルフ短篇小説の珠玉のコレクション。

――ウルフは自在に表現世界を遊んでいる。





ウルフの短篇小説が読者に伝えるものは緊密さや美や難解さだけではない。おそらくこれまでウルフになかったとされているものもここにはある。 たぶんユーモアが、そして浄福感が、そして生への力強い意志でさえもここにはあるかもしれない。(「解説 ヴァージニア・ウルフについて 」より)







___________________



《ブックスならんですわる》

20世紀の初頭、繊細にしてオリジナルな小品をコツコツと書きためた作家たちがいます。前の時代に生まれた人たちですが、ふっと気づくと、私たちの隣に腰掛け、いっしょに前を見ています。

やさしくて気高い横顔を眺めていると、自分も先にいくことができる、そんな気がします。

いつも傍に置いて、1篇1篇を味わってみてください。

内容説明

イマジズムの詩のような「青と緑」、姪のために書かれたファンタジー「乳母ラグトンのカーテン」、園を行き交う人たちの意識の流れを描いた「キュー植物園」、レズビアニズムを感じさせる「外から見たある女子学寮」など。短篇は一つ一つが小さな絵のよう。言葉によって、時間や意識や目の前に現れる事象を点描していく。21世紀になってますます評価が高まるウルフ短篇小説の珠玉のコレクション。

著者等紹介

ウルフ,ヴァージニア[ウルフ,ヴァージニア]
1882年‐1941年。イギリスのロンドンに生まれる。父レズリーは高名な批評家で、子ども時代から文化的な環境のもとで育つ。兄や兄の友人たちを含む「ブルームズベリー・グループ」と呼ばれる文化集団の一員として青春を過ごし、グループのひとり、レナード・ウルフと結婚。30代なかばで作家デビューし、レナードと出版社「ホガース・プレス」を立ち上げ、「意識の流れ」の手法を使った作品を次々と発表していく。代表作に『ダロウェイ夫人』『灯台へ』『波』などがある

西崎憲[ニシザキケン]
1955年生まれ。翻訳家、作家。電子書籍レーベル「惑星と口笛ブックス」主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

帽子を編みます

64
短篇19篇とスケッチ3篇です。断片、印象といった感じです。書いてあることの背景を知りたくなったり、これがもとになっているであろう長編のことを考えたりが雑念となり、文章だけを感じることが出来ませんでした。「ラピンとラピノヴァ」、二人だけで作った世界とその終わり、どちらの立場もわかります。ああ、終わったとわかるのです。本書はちくま文庫『ヴァージニア・ウルフ短篇集』に加筆訂正し、「幸福」「水辺」「電話」「ホルボーン陸橋」「イングランドの発育期」の5篇を加えたものですとのこと。2022/04/06

R

45
原文でないので、はたしてどこまで理解できたか自信ないんですが、繊細な文章、詩歌のような物語を堪能しました。すごい美しい描写が続く、壊れ物みたいな印象の文章で、漱石の夢十夜を思い起こさせるものだった。わかりやすい何かを描いているというわけでもなく、とりとめがないような、でも読んでいると情景や印象が、綺麗なものを彷彿とさせて、気分よく読めたんだが、理解できていたかは疑問である。難しい。2022/11/10

燃えつきた棒

41
本書の訳者の西崎憲さんを最初にお見かけしたのは、2018年の「第四回日本翻訳大賞 授賞式&トークイベント」のときだった。 そのときの彼の印象は、受賞作の朗読にバックミュージックをつけていたミュージシャンというもので、当然紹介はされたはずなのだけれど、彼が主催者側の人だということは分かっても、彼が翻訳家であるということはあまりピンと来なかった。 何となく、僕の中で、ミュージシャンと翻訳家というもののイメージが、かけ離れた存在だったからかも知れない。→2022/11/19

gorgeanalogue

20
短編小説のくっきりとした魅力的な輪郭があるものから、散文詩のような作品、「意識の流れ」もしくは(あるいはというよりも)「意識の泡立ち」を見つめるような作品、影または幽霊的な何かが憑依したような作品まで、ウルフの長編小説にはない(長編だと時間の不可逆性をめぐる痛切さを感じさせる瞬間が多いが、そうした要素は短編にはあまりないので、その原型とも言いにくい)独特で複雑な味わい。翻訳者の解説の文体がこの短編群に感染したかのような文体でそれ自身ドラマのようで興味深い。2022/10/21

かりさ

20
物語の起点から語られる事象は、ウルフの研ぎ澄まされた感性の紡ぎや意識の流れに揺蕩い、想像の羽織を纏う。羽毛の白を湛えた月の光、闇を紡ぐ木々、星々を薄紗で覆う空、紫の星のような花々…詩のように美しい短篇たち。愛おしい世界。ウルフのさまざまな彩り世界が堪能出来る美しい短篇集。透明さの純度の高さが、ウルフにしか見えない世界を紡ぎだします。詩のような散文のような言葉の連なりがとても好き。 「ラピンとラピノヴァ」「青と緑」「外から見たある女子学寮」「憑かれた家」「壁の染み」などお気に入り。2022/02/03

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