出版社内容情報
ハリー・G・フランクファート[ハリー ジー フランクファート]
著・文・その他
山形 浩生[ヤマガタ ヒロオ]
翻訳
内容説明
世にあふれる屁理屈、その場しのぎの言説が持つ「真実」への軽視を痛烈に批判した『ウンコな議論』の著者による、「真実」の復権とその「使いみち」について。
著者等紹介
フランクファート,ハリー・G.[フランクファート,ハリーG.] [Frankfurt,Harry G.]
1929年生まれ。プリンストン大学名誉教授、道徳哲学
山形浩生[ヤマガタヒロオ]
1964年東京生まれ。東京大学大学院工学系研究科都市工学科およびマサチューセッツ工科大学不動産センター修士課程修了。大手調査会社に勤務するかたわら、科学、文化、経済からコンピュータまで広範な分野での翻訳、執筆活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デンプシー
2
皆にとっての事実・真実は存在せず、自分が作り上げられるとの言説に強烈なカウンターパンチを放った本だと思う。訳者解説における、著者の思想紹介も面白かった。来年、数年後にどんな気持ちでこの本を読むことになるのか、楽しみ。2023/12/24
月と星
2
★★★続編。訳者解説がメインであると感じられるのは,本文と同じくらいのページ数であり,本文を私が理解するのには必須な部分だからである。難解というより面倒くさくなってきて,真実なんてどうでもいいという心境になる。2018/10/11
zikisuzuki
2
道徳が機能していない現代において普遍的な道徳観をふりかざすことの無意味さを認めた上で道徳について考えてみる。そうしないと「ウンコな議論」から抜け出せないし「おためごかし」にからめ捕られしまう。だからまず真実を大切にしてみようじゃないかという提案だ。これは私を含め日本人は苦手なヤツだ。何しろ現在日本お上は朱子学的な道徳観に立ち返ろうとしてトンデモなことになっているのだから。この本はもちろんポストモダンに対する皮肉も含んでいる。これは厄介だ、真実と柔軟な思考と良心とを持ち合わせるバランス感覚を持てというのだ。2018/07/28
スフィンクスさん
0
ポストトゥルースと言われる今の時代だからこそ一読の価値あり。私がおもしろいと思ったのは、スピノザの愛の教訓として、人生を気にかける者は真実を愛すると言われながらも、シェイクスピアのソネットから論じる段になると、愛を深めるためのウソを後押ししているところ。真実が大事、けれどもウソを突き通して楽しめる状況にあるなら、それもいい。そんな奥深い真実論でした。2019/02/11
ミッキー
0
哲学的に考えをまとめることの良さを認識できる議論です。参考になります。2018/10/10