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内容説明
幻の名著「増補新版」!!新章大幅加筆、未公開写真多数収録。かつて黄金町の仄暗い夜を怪しく彩った外国人娼婦らを活写した一人の男。浄化の名の下全てが消え去った世界を今ふたたび往く―眩しく、切なく、そして愛しい渾身のドキュメント。ゼロ年代の横浜アンダーグラウンド!!
目次
増補新版へのプロローグ
1 娼婦たちの肖像
2 エイズ。旅路の果てに見た夢は
3 サンタマリアの娘たち
4 去っていった娼婦たち
5 娼婦たちが消えた街で
6 マリアたちのその後
増補新版へのエピローグ
著者等紹介
八木澤高明[ヤギサワタカアキ]
1972年神奈川県生まれ。写真家。ノンフィクション作家。写真週刊誌「フライデー」専属コメラマンを経てフリーとなる。2001年から黄金町が閉鎖される05年まで、そこで暮らし稼ぐ外国人娼婦たちの生活と喜怒哀楽を追い、また彼女たちの家族が暮らす故国へも取材に赴く。第19回小学館ノンフィクション大賞・優秀賞『マオキッズ―毛沢東のこどもたちを巡る旅』(小学館)他、著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fwhd8325
18
私の育った町にも、かつて色街だった場所があった。それは、子供の目にも独特な世界であることを感じさせるものだった。けっしてその空気が嫌いではないので、なにか理由をつけては、近くまでいったものだ。小説の世界でも描かれることは多く、そこには、人の感情が集約されているように感じるのだ。この著書も、ノスタルジーだけではない、文化としての匂いを放っているように思う。2016/03/07
toshokan-no-hito
5
今回増補新版を再読、やはり名著と呼ぶに相応しいと感じた。横浜の黄金町が妖しい街だったのは2005年までのこと、1990年代からこの街の映画館に足繁く通っていた身としては、浄化されてしまったことを残念に思う。しかしそれは所詮住民ではないものの戯言。住民にしてみたらあの娼婦とちょんの間街は嫌悪の対象だったのだろう。 私たちは自分の住む街にこのような悪場所や、例えば火葬場もゴミ処理場も、ひいては保育園をも抱え込む余裕がなくなっている。あってもいいけどウチの近所はダメ。そんな狭量な社会が行き着く先は何処だろう。2017/09/23
MASARU.T
3
色街だった黄金町の主人公である娼婦を描いた作品。隣町の、綺麗に生まれ変わった野毛には良く呑みに出掛けるので興味がわきました。遠い国から苦労して出稼ぎに来る外国人娼婦には、それなりの深い事情が有るのですね。風紀や衛生面を鑑みると決して肯定は出来ませんが、明るく前向きに生きる様は応援したくなります。2015/11/07
4310
1
本屋でジャケ買いした『青線』でハマって、『マオキッズ』ですっかり魅了された八木澤高明さんの本。今回も地元・黄金町から本場のエル・ドラード(黄金郷)にたどり着くという、ものすごい飛躍を見せてくれるので瞬読しました!面白かったぁ~。ハマッ子必読ですよ!2016/01/31
少年隊世代
1
黄金町の売春婦はたまに通るとき見てました。派手に化粧した彼女たちの中には、どこか寂しさが漂ってました。「送金のために、不法で売春してる」と漠然とは知っていたけれど、もっと具体的に彼女たちの身の上について書かれてます。エイズで亡くなったワラポンさんが特に忘れられない。エイズ末期ー遺体ー遺骨と、三段階に彼女を写しています。2015/12/11