内容説明
未来世代の幸福を、法で守る。政府のあらゆる意思決定に「未来世代の幸福を組み込んだ世界初の法律」がウェールズで生まれた。この「小国」はなぜ、「今までと違う生き方」を選択し、「持続可能な開発」の理念を具現化することができたのか。立法を牽引した元大臣が、その思想、苦悩、そして実現への道筋を語り尽くす。
目次
はじめに 未来世代のために
第1章 自然から政治へ どのように一つになったか
第2章 ビジョンを描く 本法への旅(1992~2011年)
第3章 ネットワークをつくる ウェールズにおける「未来世代法」とその実行(2011~2015年)
第4章 真実を語る 「未来世代法」とその大志に圧力をかけ続ける
第5章 学ぶ 「未来世代法」の精神を生きる
第6章 慈しむ ウェールズと広い世界のための大胆なアイデア
おわりに 軽負担生活への私の旅
最後の言葉 ウェールズ初代未来世代コミッショナー、ソフィー・ハウによる
付録
著者等紹介
デイヴィッドソン,ジェーン[デイヴィッドソン,ジェーン] [Davidson,Jane]
ウェールズ大学トリニティ・セント・デイヴィッド名誉副学長。2000年から2011年までウェールズ政府の教育大臣、その後、環境・持続可能性・住宅担当大臣を務め、持続可能な開発を組織の中心的組織統制原理とする法案を提案した。2015年4月に「未来世代のためのウェルビーイング法」を施行。ウェールズ気候変動委員会、持続可能な未来コミッショナーの役職、ウェールズ沿岸遊歩道を創設。教育分野では、子どもの教育課程の改革を導き、持続可能な開発と地球市民権のための教育を「ウェールズ・カリキュラム」に統合した。公認エコロジー・環境管理協会(CIEEM)と、自立支援ツール(TFSRウェールズ)のパトロンである。WWF、公認廃棄物管理協会、公認水・環境管理協会の名誉フェローシップを保持している。ウェールズRSA会長。ハーバード大学准教授。現在、西ウェールズの小さな農場に住み、土地に軽負担で暮らすことを目指している
中村民雄[ナカムラタミオ]
東京大学大学院法学政治学研究科基礎法学(英米法専攻)博士課程修了。博士(法学)。現在、早稲田大学法学学術院教授。成蹊大学法学部助教授・教授、東京大学社会科学研究所助教授・教授を経て現職。この間、コーネル大学ロースクール客員研究員、ロンドン大学経済政治学院(LSE)フェロー、オックスフォード大学セント・アントニーズ・コレッジ客員教授などを歴任。専門はイギリス法・EU法
明日香壽川[アスカジュセン]
東京大学大学院農学系研究科修了(農学修士)・東京大学大学院工学系研究科修了(学術博士)・インシアード修了(経営学修士)。東北大学名誉教授・特任教授。(財)地球環境戦略研究機関気候変動グループ・ディレクターを兼任(2010~2012年)。専門は環境科学政策論
加藤紗代[カトウサヨ]
幼少期をニューヨークで過ごす。同志社大学文学部卒業。昨年、生活クラブエネルギー事業連合「自然エネルギーインストラクター」研修を修了。現在、小学生向けの地域史作りに取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 弥勒の掌 文春文庫