感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本木英朗
23
英国の黄金時代本格ミステリ作家のひとりである、ヘンリー・ウエイドの長編のひとつである。俺は1999年に一回読んでいた。気ままな生活を送る遊び人ユースタスは、借金を重ねて零落の危機にあった。折もおり、親戚の水死事故の報を耳にした彼は、莫大な富を有する一族の長老、バラディス卿の財産相続権を狙って、立ちふさがる上位相続人の殺害を決意する……という話から始まる。2回目であるがぜんぜん覚えていなかったから、本当に超凄かったです、ハイ。さすがは作者であります。創元から出ているミステリももう一度読もうっと!2023/10/11
koo
10
ヘンリーウエイド初読です。倒叙作品ながら全編明るい作風で描かれていました。倒叙作ながら真犯人など終盤の展開、家系図など登場人物表が丁寧など加点要素はいくつかありますがあまり意外性はなくまずまずの読後感でした。ウエイド作品をもう少し読んでみたいと思います。2023/09/17
madhatter
5
倒叙ミステリは斯くあるべしという感じの、よくできた作品。伏線もオチもよく効いている。英国の相続制度について、読者側にある程度の知識があれば、ある人物の思惑に論理的に到達できそうな気がした。とは言え、私のように相続制度について、ユースタス同様の誤解があるからこそ、オチに驚きを感じられるのだろうが。それにつけてもこの作品、あのラストシーン以降に、更なるどんでん返しが仕掛けられているような気もするのよね。2012/02/16
cinos
4
主人公が殺人へと追い詰められていく過程が読んでいて胸が痛くなった。ラストはなんとなく予想はついたが、なかなかよく考えられていた。ヘンリー・ウエイドの作品をもっと読みたくなった。2012/05/25
ネクタイおじさん
3
倒叙ミステリ。主要人物の把握に冒頭の家系図が役立つ。当時の英国の相続法の知識がないことが幸いしたのか私には結末が予想もつかず意外な展開が待っていた。倒叙ミステリは犯人の感情が追えるので意外な落ちだけでなくストーリー展開も楽しめました。傑作かと思う。ヘンリー・ウェイド邦訳があるものは全て読みたくなりました。2023/05/12
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