出版社内容情報
1922年の創立以来、視覚障害者に大事なニュースや生活情報を届けてきた「点字毎日」は、時代の変遷と技術発展の中、社会参加への挑戦、権利拡大を求めた闘い、文化の進展をつぶさに記録してきた。世界に類を見ないメディアが見つめた日本と視覚障害者の歴史を豊富な写真とあわせて明らかにした一冊。
目次
第1部 「点字毎日」創刊から戦中まで(ひとすじの光かかげて―創刊前夜;「一個独立」願い定価10銭―点毎創刊;生きたるための教科書に―受け入れられた背景 ほか)
第2部 戦後から昭和後期まで(インフレに踊らされ―戦後の混乱期;税金や運賃の優遇実現―昭和20年代;あはきVS療術、政治問題に―昭和30年代 ほか)
第3部 平成から令和の時代へ(「あはき法」抜本改正―平成初期;災害対策が生活課題に―平成10年まで;いつも手元に携帯電話―平成10年代(1) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
1
ふむ2025/07/28
とりもり
0
恥ずかしながら「点字毎日」の存在を知らなかった。「名誉の赤字」とはよく言ったもので、採算度外視で社会的弱者に寄り添った活動は薄っぺらなメセナ活動とは一線を画している。ICTの発達により点字を使わない視覚障害者も増えているとのことで、存続が危ぶまれるかも知れないが、盲ろう者にとっては聴覚的な情報に頼ることはできないので、点字の有用性が失われることはないと思う。一企業の努力だけに依存するのではなく、社会的に存続を支援すべきと感じた。非常にオススメの一冊。★★★★★2025/06/13