内容説明
「どうしようもありません。だって、自分の身に何が起きているか、どんな思いをしているか、周囲に気づいてもらえないのですから。ただ頑張り続けるしかありません」それは、DV/虐待です。
目次
1 ますはじめに
2 女性による男性への虐待
3 女性が男性を虐待する理由
4 虐待される男性
5 では、どうすればいいのでしょう?―虐待を受けている男性へ向けて
6 すべての人へのメッセージ
著者等紹介
シルバース,アン[シルバース,アン] [Silvers,Ann]
米国ワシントン州在住の認定カウンセラー、人間関係改善コーチ、著者。彼女は学術的な研究、パートナーから虐待を受けた個人的な経験、そしてパートナーから虐待されている、あるいは虐待している多くの男性や女性やカップルへの40年にわたるカウンセリングを通して、パートナー虐待というテーマに取り組み続けている。他者や自分との健全な関係を築けるよう、女性と男性の両方の幸福を支援することに力を注いでいる。本書『女性から虐待されている男性へ』によって最後のタブーのひとつとされテーマに向き合っている。人間関係についてのセルフヘルプ書も多い
上田勢子[ウエダセイコ]
東京生まれ。慶應義塾大学文学部社会学科卒。1979年より米国カリフォルニア州在住。2人の息子が巣立った家に、現在は夫と1匹のネコと暮らしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
42
新刊コーナーより。勇気ある内容だと思いました。また、女性の著者から男性の虐待を語っているところが逆に問題を明解に説明する鍵になっている気がします。女性的な「虐待」の様々な事例には既視感を覚えましたー母の攻撃だ、これ…。「なぜ女性による男性への虐待が起きるのでしょうか」という短い章に提示されている「なぜ」を読むだけでも気づきがあると思います。後半の具体的な対処法は、男女ともにくみ取れるものが多いのではないでしょうか。2025/05/10
kenitirokikuti
9
原題”ABUSE OF MEN BY WOMEN: It happens, it hurts, and it's time to get real about it”。著者はワシントン州のカウンセラーで、1995年の北京会議(国連の第4回世界女性会議)の出席者。妻が夫を加害するタイプのDVをふつうに扱ったもの。リベラル的には声高に主張しづらいだけである。妊娠したと嘘をついたり、男は理由がどうあれ女に暴力をふるってはいけないからおとなしく殴られろ、とか。機嫌が悪いとネグるとか。まぁ、いるよね、そういう女。2025/03/23
🍭
7
367(家族問題、男性・女性問題、老人問題)図書館本。明石書店2025年1月31日発行。パートナー虐待はあまり例をみない研究なので興味深かった。これまで読んできた精神医学や精神疾患、パーソナリティ障害や法学分野の知識を悪用すると比較的簡単にパートナー虐待ができるだろうと感じた。本書では女性から男性への虐待を主軸に論を展開しているが、女性の部分を自分に当て嵌めてみたとき、既に自分が虐待をおこなっているか、そうでないかを判断することが難しいラインがいくつかあると感じた。啓蒙にはかなりよいのではないかな。2025/03/14
Go Extreme
3
虐待の現実:男性被害 認識不足 文化的沈黙 報告困難 社会的圧力 孤立感 虐待の種類:言葉の暴力 精神操作 条件付き要求 脅迫 経済的支配 自尊心低下 女性の動機:パーソナリティ障害 境界性障害 権力構造 依存支配 経済的圧力 操作的行動 男性の心理:耐える文化 自己評価低下 逃避困難 精神的疲弊 信頼喪失 恥の意識 対処法:状況把握 境界設定 助けを求める 適切な支援 自己改善 健康的関係構築 社会の役割:支援体制 強化 偏見克服 公平な視点 相談窓口 政策改善 研究推進2025/03/07
お魚くわえたザサエさん
3
異性間の暴力というと、社会では男性から女性への暴力が問題視され、逆を問題視することはタブーとされる。しかし本書では女性も男性に対し暴力をふるうことは珍しくないこと、それらが問題視されにくい理由として、男性が「強い者」「女性に対し貢献すべき者」であるべきという男らしさがあり、また女性が男性であれば持つ義務を免除されており、女性解放運動においてもその免除は変わらなかったことによる歪みがあるとする。こうした問題を世に問うた著者(女性)および翻訳者(女性)に敬意を表したい。2025/02/01