内容説明
プーチン、習近平、金正恩―リーダーによる予測不能で「非合理」な意思決定が可能となる条件とは。考えうる結末は。新進気鋭の国際政治研究者がウクライナ侵攻で激震を与えたロシア、台湾有事が懸念される中国、ミサイル発射を繰り返す北朝鮮の3か国を分析。
目次
序章 権威主義体制と個人化―個人支配の行動原理
第1章 ロシア(ロシアの政治体制;ロシアの対外政策;プーチン体制のゆくえ)
第2章 中国(中国の政治体制;中国の対外政策;習近平体制のゆくえ)
第3章 北朝鮮(北朝鮮の政治体制;北朝鮮の対外政策;金正恩体制のゆくえ)
終章 比較分析―個人化する権威主義と向き合う
著者等紹介
大澤傑[オオサワスグル]
1987年愛知県生まれ。上智大学大学院グローバル・スタディーズ研究科修士課程修了。防衛大学校総合安全保障研究科博士課程修了。博士(安全保障学)。駿河台大学法学部助教を経て、2021年4月より愛知学院大学文学部講師。主な著書・論文:『独裁が揺らぐとき―個人支配体制の比較政治』ミネルヴァ書房、2020年“ラテン・アメリカ政経学会2021年度研究奨励賞”、「ニカラグアにおける個人化への過程―内政・国際関係/短期・長期的要因分析」『国際政治』第207号、33-48頁、2022年“日本国際政治学会2022年度奨励賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
16
昨今ロシアによるウクライナ侵攻を契機に民主主義と権威主義の戦いという文脈が頻出している。本書は権威主義に焦点を当て、類型として一党支配型、軍事支配型、個人支配型の三つを上げ、現代においては個人支配型が多くなっている傾向を示している。また、中国、ロシア、北朝鮮の体制を其々分析し、個人に権力が集中しながらも、個人化の度合いの違いも指摘。ロシアはプーチン大統領の個人化が進んだが、中国に関しては習近平主席への権力集中が目立つも、党による支配がまだ強いとの見立て。この辺の評価は議論になりそう。2024/08/11