内容説明
個人は、移住を通じて自らの望みを追求する自由をもつ。一方、人口流入に対して国家が懸念を抱くことも避けがたい。では、両者の葛藤は克服しえないものなのか?国際的視野から難民研究を牽引してきた第一人者が、人間経験の根幹をめぐる課題として考える。
目次
第1章 前提として何を押さえるべきか(難民は子どもの顔で描かれる;難民は戦士、反攻勢力にもなる ほか)
第2章 難民はどう定義・分類されてきたか(現代は紛争の性質に変化がある;逃亡の原因と結果、影響は複雑化し多様化している ほか)
第3章 難民はいかに支援されてきたか(人道主義は、現代資本主義の補完物?;UNHCR、栄光というよりは苦闘の歴史 ほか)
第4章 当事者視点を軸に、いかに視野を広げて考えるか(難民は安全保障上の脅威なのか?;移住を阻止するための開発援助の是非 ほか)
著者等紹介
小泉康一[コイズミコウイチ]
大東文化大学名誉教授。専攻、難民・強制移動研究。1973年東京外国語大学卒業、1977年同大学院修士課程修了。その後、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)タイ駐在プログラム・オフィサー、英オックスフォード大学難民研究所客員研究員、スイス・ジュネーヴ大学国際関係高等研究所客員研究員、大東文化大学国際関係学部教授などを経て、同大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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