出版社内容情報
日本には、正規の滞在が認められない外国人を収容する入管収容施設がある。収容の可否に司法は関与せず、無期限収容も追放も可能な場所だ。差別と暴力が支配するこの施設は、私たちの社会の一部である。「不法な外国人」に対する眼差しにも迫る、果敢な試み。
目次
はじめに[鈴木江理子]
第1章 入管収容施設とは何か――「追放」のための暴力装置[鈴木江理子]
1 追いつめられる被収容者
2 追いつめられる仮放免者
3 追いつめられる外国人
Column 1 ウィシュマさん国家賠償請求事件[空野佳弘]
第2章 いつ、誰によって入管はできたのか――体制の成立をめぐって[朴沙羅]
1 はじめに
2 敗戦と非正規な人と物資の移動――引揚げと「密航」・「密貿易」
3 外国人登録令の公布とエスニック・マイノリティの外国人化
4 冷戦と民族差別――入管体制の成立
5 「入管体制」への疑問
6 おわりに
Column 2 大村入国者収容所における朝鮮人の収容[挽地康彦]
第3章 入管で何が起きてきたのか――密室を暴く市民活動[高橋徹]
1 はじめに
2 入管収容問題と出会う
3 入管問題調査会の発足
4 被収容者の母国をたずねる
5 信じがたい蛮行の数々
6 強制収容される子どもたち
7 解決への糸口
8 おわりに
Column 3 入管収容で奪われた「もの」[井上晴子]
第4章 支援者としていかに向き合ってきたか――始まりは偶然から[周香織]
1 難民問題との出会い
2 クルド人難民家族とイラン人難民との出会い
3 クルド人難民Mさんとその家族
4 深刻化する入管の長期収容問題と「入管法改正案」
Column 4 弱くしなやかなつながりのなかで[安藤真起子]
第5章 誰がどのように苦しんでいるのか――人間像をめぐって[木村友祐]
1 晴佳さんとサイさん、その子どもたち
2 トルコ国籍のクルド人チェリクさん
Column 5 被収容者の経験[アフシン]
第6章 どうすれば現状を変えられるのか――司法によるアプローチを中心に[児玉晃一]
1 収容制度について
2 「収容に代わる監理措置」
3 収容施設及び処遇
4 仮放免中の処遇
5 改善へのアプローチ
あとがきにかえて[児玉晃一]
入管収容をめぐる年表
著者略歴
著・文・その他 編集:鈴木 江理子
国士舘大学文学部教授。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)共同代表理事、認定NPO法人多文化共生センター東京理事等を兼任。移民政策や人口政策、労働政策を研究するかたわら、外国人支援の現場でも活動。主著に『日本で働く非正規滞在者――彼らは「好ましくない外国人労働者」なのか?』(明石書店、平成21年度冲永賞)、『非正規滞在者と在留特別許可――移住者たちの過去・現在・未来』(共編著、日本評論社)、『東日本大震災と外国人移住者たち』(編著、明石書店)、『新版 外国人労働者受け入れを問う』(共著、岩波書店)、『アンダーコロナの移民たち――日本社会の脆弱性があらわれた場所』(編著、明石書店)など。
著・文・その他 編集:児玉 晃一
弁護士。全件収容主義と闘う弁護士の会「ハマースミスの誓い」代表。入管問題調査会代表。移民政策学会常任理事。元日本弁護士連合会理事。東京弁護士会外国人の権利に関する委員会委員長、関東弁護士会連合会外国人の人権救済委員会委員長を歴任。主著に『難民判例集』『コンメンタール出入国管理及び難民認定法2012』(編著、現代人文社)、『外国人刑事弁護マニュアル」(共著、現代人文社)。論文に「『全件収容主義』は誤りである」(大橋毅弁護士と共著。『移民政策研究』創刊号)、「恣意的拘禁と入管収容」(『法学セミナー』2020年2月号)など。2021年4月21日には、衆議院法務委員会に参考人として出席し、入管法改定案反対の立場から意見を述べた。その他の経緯について詳しくは「あとがきにかえて」を参照。
内容説明
日本には、正規滞在が認められない外国人を収容する入管収容施設がある。収容の可否に司法は関与せず、無期限収容も追放も可能な場所だ。差別と暴力が支配するこの施設は、私たちの社会の一部である。「不法な外国人」への眼差しそのものに迫る、果敢な試み。
目次
第1章 入管収容施設とは何か―「追放」のための暴力装置
第2章 いつ、誰によって入管はできたのか―体制の成立をめぐって
第3章 入管で何が起きてきたのか―密室を暴く市民活動
第4章 支援者としていかに向き合ってきたか―始まりは偶然から
第5章 誰がどのように苦しんでいるのか―人間像をめぐって
第6章 どうすれば現状を変えられるのか―司法によるアプローチを中心に
著者等紹介
鈴木江理子[スズキエリコ]
国士舘大学文学部教授。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。NPO法人移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)共同代表理事、認定NPO法人多文化共生センター東京理事等を兼任。移民政策や人口政策、労働政策を研究するかたわら、外国人支援の現場でも活動。主著に『日本で働く非正規滞在者―彼らは「好ましくない外国人労働者」なのか?』(明石書店、平成21年度冲永賞)など
児玉晃一[コダマコウイチ]
弁護士。全件収容主義と闘う弁護士の会「ハマースミスの誓い」代表。入管問題調査会代表。移民政策学会常任理事。元日本弁護士連合会理事。東京弁護士会外国人の権利に関する委員会委員長、関東弁護士会連合会外国人の人権救済委員会委員長を歴任。2021年4月21日には、衆議院法務委員会に参考人として出席し、入管法改定案反対の立場から意見を述べた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
燃えつきた棒
崩紫サロメ
ロビン
奏市
田舎暮らしの渡り鳥
-
- 和書
- 金貸しの日本史 新潮新書