内容説明
教育、雇用、賃金、家族、社会参加、メンタルヘルス、帰属意識、永住意図―生まれ育った国を離れ、日本で暮らす移民たちは何を想い、どのように働いているのか。日本全国を対象に実施した無作為抽出による大規模調査から、生活・労働実態と日本社会への統合状況を分析。
目次
移民の統合を考える
第1部 移民の社会経済的統合(教育 誰がどのような教育を受けてきたのか―出身背景の説明力に関する在留資格グループ別の比較;雇用 移民の階層的地位達成―人的資本・社会関係資本の蓄積の影響;賃金 移民の教育達成と賃金―教育を受けた場所と経済的統合)
第2部 移民の社会的統合(家族 移民の家族と日本社会への統合―家族形成と配偶者の国籍に注目して;社会参加 社会的活動から見た社会統合―移民と日本国籍者の比較を通した検討)
第3部 移民の心理的統合(メンタルヘルス 移民のメンタルヘルス―移住後のストレス要因と社会関係に注目して;帰属意識 移民の日本に対する帰属意識―水準と規定要因;永住意図 誰が永住を予定しているのか―日本で暮らす移民の滞在予定)
日本における移民の社会統合
補論 外国籍者を対象とした社会調査をどのように実施するか
感想・レビュー
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モリータ
8
◆2021年刊。編者は中公新書『移民と日本社会』の著者(東京大学准教授)。◆編者らが実施した全国調査(「くらしと仕事に関する外国籍市民調査」)のデータを使用した統計的分析により、移民の社会経済的統合(第1部、教育、雇用、賃金)、社会的統合(第2部、家族、社会参加)、心理的統合(第3部、メンタルヘルス、帰属意識、永住意図)を記述する。(統計に疎いのでそれ以外の部分を斜め読み)。◆移民のメンタルヘルスについて;「先行研究に置いては、家族や親族との親密な関係性が移民のメンタルヘルスを向上させることが指摘(続2025/04/15