目次
道長を創った女たち―ジェンダー分析の提唱
道長の“母”たち―実母時姫・庶母・父兼家の妻妾
二人の同母姉と二人の異母妹―超子・詮子・綏子・道綱母養女
正妻源倫子―妻として、母として、同志として
道長が愛した女性たち―次妻源明子、ツマ藤原儼子・藤原〓子・源重光娘
道長の長女彰子の一生―天皇家・道長一家を支えて
長女上東門院彰子の故実―語られ続ける“大吉例”
次女妍子―姉とたたかって
三女威子と四女嬉子―それでも望月は輝き続ける
次妻高松殿腹の姫君―寛子と尊子
道長とかかわった女房たち1 赤染衛門と紫式部
道長とかかわった女房たち2 天皇の乳母たちと彰子の従姉妹たち
天皇と結婚した三人の孫内親王―道長の孫娘たち
著者等紹介
服藤早苗[フクトウサナエ]
埼玉学園大学名誉教授。専門は平安時代史、女性史、ジェンダー史
高松百香[タカマツモモカ]
東京学芸大学特任准教授。専門は日本古代・中世史、ジェンダー史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ようはん
19
道長の出世を引き立てたのは姉の詮子であるが、正室の倫子の貢献や影響力も大きく女道長とも言うべき存在にも見える。2024/01/06
遊未
7
道長は源倫子をはっきり正妻として扱い、その子供たちも明子及びその子供たちと格差を着けていましたが、そもそも倫子は身分的にも経済的にも格上の女性であり、人間の扱い、知力、体力全てにおいて秀でた女性でその活躍は道長を支えた、なんてレベルではない凄まじいばかりです。かといってしゃしゃり出るイメージは残さずに。彰子もその能力を引き継いだのでしょうね。道長のお相手になった人々、娘たち、孫内親王まで紹介されています。2022/05/30
リリパス
2
簡単に書けば、「道長の母・道長の姉妹・道長の奥さん・道長の4人の娘たち・道長の3人の孫娘たち・道長や奥さんや娘や孫娘が住む家で働いていた(今風にいえば)メイドさんたち、が、どういう性格の人で、どういう人生を送った、どういう女性だったのか」ということを、じっくり丁寧に説明・解説している本です。中学や高校の日本史の授業では、道長の孫の天皇の話とか、男性の話は、あちこちでよくききますし、習いますが、道長に関する、身の回りの女性たちのお話というのは、習ったことがなく、勉強したことがなかったので、面白かったです。2021/01/05
Ayako Moroi
2
不勉強にして知らなかったことを色々学べた。道長室の倫子が、道長とは別に政所を持っていたとか、彼女のフットワークの軽さとか。倫子はほぼ和歌を残していないが、采配するのが役割で、和歌は周りの赤染衛門ら女房が詠んでいたのだろう。また、道長の女性の好み、という視点も面白い。成熟した大人の、健康的な女性が好きだったようだ。倫子も高松殿明子も、子だくさんで、長命だしね。2020/07/20