内容説明
革命の英雄フィデル・カストロ亡きあと、キューバはどこへ向かうのか。親米政権を打倒し独自の社会主義をめざすも、ソ連解体の衝撃を受け、21世紀の抜本的な体制転換の時代へ―。革命の理念を貫いた半世紀の歴史をたどり、キューバの真実に迫る。
目次
はじめに なぜキューバ革命は生きながらえることができたのか
第1章 モンカダ兵営襲撃からシエラ・マエストラへ
第2章 革命勝利から社会主義宣言へ
第3章 キューバ風共産主義
第4章 「ソ連化の時代」
第5章 「社会主義」を見直す
第6章 ソ連解体の衝撃―「革命」の生き残りをかけて
第7章 「覚悟の決断」へ―“経済発展なくして「革命」なし”
第8章 21世紀のキューバ
著者等紹介
後藤政子[ゴトウマサコ]
神奈川大学名誉教授。ラテンアメリカ現代史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たばかる
8
ゲバラ日記でも読む前にと思って一読。もちろんカストロを中心にキューバ視点で話が進むが、案外思想の傾斜は見られず、主観を排して史実と一定テーマを並べてあって読みやすいものだった。一応はアメリカの制裁を乗り切って様々な改革を仕込みなんとか社会主義国家を存続している点で特異なキューバに今後とも注目。2018/11/04
newborn
7
キューバ革命に興味があってこの手の書籍はいくつか読みましたが、キューバ革命の過程が非常にわかりやすくまとめられていると思いました。 またキューバは近年に至って自由経済を部分的に取り入れ、経済成長の最大の足かせであった経済制裁を課す米国と国交回復を果たしたので、大きな変革期にあります。 オバマ政権終盤の国交回復まで取り扱っている本書は現在のキューバを理解する上でかなり良い本だと感じました。2018/01/29
人生ゴルディアス
6
皆大好きキューバの歴史。キューバについての本は基本的にカストロ礼賛で思想的に偏っている(ように見える)。けれど、本書を読むと、なんか仕方のないことなのかなと思う。なぜなら、目と鼻の先にある地上最強の米帝から憎悪され、600回以上の暗殺を凌ぎ、凶悪な経済封鎖を受け、頼みの綱のソビエトも崩壊して、原油を含むあらゆる物資が足りない中、国として崩壊せずに貧しくても機能し続け、医者の多さから他国に人道派遣を続けてるって、やっぱりすごいとしか言いようがない。ここまで耐えたんだから、成功してほしいなと素直に思う。2017/11/12
chiro
4
助け合うには…困らないと始まらない。地域に絞らないと。通り過ぎる観光客から稼ぐのが当たり前感2018/12/20
singoito2
2
キューバの独立から革命、そして最近の状況までとてもわかりやすい本でお奨めできます。米国帝国主義の本当の姿を知るために最適な一冊。2019/09/02