出版社内容情報
太平洋戦争下の日本は、断末魔の時代ともいうべき苦難の時期であり、戦争終結後の数年間も苦しい生活を強いられた時代だった。当時の生活を体験した著者が、このような苦難をもたらした原因について回顧・分析し、現代日本の政治状況に警告を発する書。
はじめに
第一章 民は貧しい天皇と軍人の国――真珠湾攻撃の頃の日本
一 畑が多く、牧歌的だった阪神間の風景
二 貧しくて劣悪な居住環境
三 「忠君愛国」、「承詔必謹」
四 「男は軍人になるのが当然」という時代
五 日清、日露、第一次世界大戦
六 大正デモクラシーはなぜ崩壊したのか?
七 強烈なスパルタ式教育の日本一の秀才校「神戸一中」とは何だったのか?
八 勇気ある行動
第二章 富国強兵策の象徴――満州支配を国策とした日本
一 満州支配を企図した日本
二 軍事的天才、石原莞爾による満蒙所有構想
三 日本人の憧れを集めた満州と満鉄
四 満州は日本の生命線だったのか?
五 石橋湛山の満蒙放棄論を考える
六 満州国に対する中国国民の怒りが高まる
七 日本はリットン調査団の勧告に従うべきだった
八 日中戦争の長期化
第三章 悪魔のような征服者・ヒトラーと提携した日本
一 ドイツ国民を怒らせたヴェルサイユ条約
二 ヴェルサイユ体制の下で、ヒトラー政権まで続いたワイマール体制
三 ウィーンの浮浪者、アドルフ・ヒトラーの台頭
四 ナチ党とは何だったのか?
五 ヒトラーの強烈な拡張政策
六 ミュンヘンの譲歩
七 「ドイツに続け!」日本でドイツ熱が起こる
八 第二次世界大戦起こる!
九 バトル・オブ・ブリテンとバルバロッサ
一〇 あまりにも早かったナチスの滅亡
第四章 史上最悪となった日本の真珠湾攻撃はなぜ起こったか?
一 難航して、ついに実現しなかった日中和平工作
二 国民的な英雄だったが、力強さを欠いた近衛文麿
三 日米交渉に横ヤリを入れた松岡洋右の自信過剰
四 許せぬ強烈なドイツかぶれ
五 「対米戦・日本楽勝説」を主張した池崎忠孝の大罪
六 欲しがりません、勝つまでは!
七 アメリカの国民政府支援のため奮闘した宋美齢
八 アメリカは許さなかった日本軍の南部仏印進駐
九 無視された「日本必敗」の警告
一〇 なぜ海軍は開戦に「ノー」と言わなかったのか?
一一 最終段階の日米交渉について
一二 忘れ得ぬ日米開戦反対論
一三 「ルーズベルト親書の到着がもう一日早かったら……」
第五章 三百十万人が犠牲に――史上最悪の戦争
一 日本の近代史で最悪の行動
二 真珠湾攻撃の歴史的評価
三 日本の戦勝ムードに冷水
四 日本の敗戦に直結した、致命的なミッドウェー海戦の失敗
五 太平洋のあちこちで、日本軍の悲報が続く
六 日米戦争の日本側指導者、東条英機
七 厳重な監視体制
八 雨中の神宮外苑競技場
九 恐ろしかった空襲と機銃掃射
一〇 マンハッタン計画
一一 断末魔の日本を象徴する特攻隊と風船爆弾
一二 戦争終結への重要会議
一三 日本の「ポツダム宣言受諾」に貢献した米国側による「天皇制維持」のヒント
一四 日本民族の大悲劇となった満州引揚げとシベリア抑留
一五 日米戦争の勝利者、F・D・ルーズベルトを分析する
第六章 マッカーサー体制による新しい国づくり
一 焼け野原の日本に君臨したD・マッカーサー
二 国民が怒りを爆発させた東条の自殺失敗
三 ボケ元(グズ元)と呼ばれた杉山元・元帥の妻・啓子夫人による壮烈な自決
四 昭和天皇、マッカーサーを訪問す(九月二七日)
五 戦後政界の最大のスター・吉田茂を評定する
六 吉田茂のライバルだった鳩山一郎の泣きグセは何故だったか?
七 日本の労働史上、最大規模の二・一スト
八 物資不足と強烈なインフレ
九 広範囲にわたる追放と三等重役の登場
一〇 裁かれた日本国
一一 国民から同情を集めた広田元首相の死刑判決
一二 ソ連から見た東京裁判
一三 忘れ得ぬ「新憲法(日本国憲法)」成立の感激
一四 GHQが教育改革を示唆
一五 吉田茂の側近・白洲次郎をいかに評価するか
一六 私たちの憧れの的だった富豪・牛尾家の人たち
第七章 日本にとって幸運だったのか?――米ソ対立と朝鮮戦争の勃発
一 中国内戦で中共軍が完勝す
二 「米ソ対立」という新事態
三 戦後日本の進路を決めた一九四九年夏の国鉄三事件
四 下山事件
五 また戦争か?
六 突然のショック! マッカーサー解任
七 忘れ得ぬサンフランシスコ講和条約の感激
八 戦争の悲劇
九 天皇家を守るためか?
一〇 生き延びた二人の参謀
一一 日本、輝かしい経済成長へと進む
第八章 日本の暗黒時代を回顧して――未来のための教訓は何か?
一 『敗戦真相記』
二 渡辺銕蔵氏の主張
三 共産圏の生活に魅力なし
四 日本を「天皇中心の神の国」にするな!
五 悲しい歌、「海ゆかば」の復活を許すな!
六 日本は「世界から好かれる国」であり続けよう!
おわりに
一本松 幹雄[イッポンマツ ミキオ]
1937年兵庫県芦屋市生まれ。灘高、早大政経学部、コーネル大学大学院に学ぶ。電力会社、国際機関、文科省・経産省管轄の研究組織での勤務を経て、2006年、作家、英語通訳者として独立す。戦時中及び終戦直後の世界と国内情勢に精通している。本書を含め、著書、翻訳書の出版16冊、欧米での勤務歴11年間。
目次
第1章 民は貧しい天皇と軍人の国―真珠湾攻撃の頃の日本
第2章 富国強兵策の象徴―満州支配を国策とした日本
第3章 悪魔のような征服者・ヒトラーと提携した日本
第4章 史上最悪となった日本の真珠湾攻撃はなぜ起こったか?
第5章 三百十万人が犠牲に―史上最悪の戦争
第6章 マッカーサー体制による新しい国づくり
第7章 日本にとって幸運だったのか?―米ソ対立と朝鮮戦争の勃発
第8章 日本の暗黒時代を回顧して―未来のための教訓は何か?
著者等紹介
一本松幹雄[イッポンマツミキオ]
1937年兵庫県芦屋市生まれ。灘高、早大政経学部、コーネル大学大学院に学ぶ。電力会社、国際機関、文科省・経産省管轄の研究組織での勤務を経て、2006年、作家、英語通訳者として独立す。戦時中及び終戦直後の世界と国内情勢に精通している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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