内容説明
むきだしの民主主義と格闘した5年間の記録。震災直後から大槌町民となって暮らし、復興をつぶさに見つづけてきた記者による迫真の現場報告。
目次
第1章 被災地からみたこの国のかたち
第2章 地域の底力
第3章 なりわいの再生と新生
第4章 命を軸にした教育
第5章 支援からパートナーへ
第6章 ローカルメディアの胎動
第7章 記憶を継承するということ
第8章 大槌を引っ張る101人
著者等紹介
東野真和[ヒガシノマサカズ]
朝日新聞編集委員。1964年、東大阪市生まれ。京都大学文学部哲学科卒業後、朝日新聞社入社。岐阜支局、名古屋本社社会部、東京本社政治部、盛岡支局、東京本社編集センター、特別報道センターなどを経て、2011年3月11日の東日本大震災直後から岩手県大槌町に駐在。2014年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おさむ
39
震災直後から岩手県大槌町にすみ、町民と交流を重ねてきた新聞記者の記録。被災者の心に寄り添いながらも、理想だけでは進まない厳しい現実も描く。あたたかい目線が心をうちます。震災から5年が過ぎたいま、多くの日本人に読んでもらいたい1冊。2016/04/01
下良
4
朝日新聞の記者の目を通して、東北震災のその後の復興の様子を描いている。行政はまだまだ四面四角で柔軟性が欠けているようだ。2018/12/03
鎌倉 幸子
3
東日本大震災直後から岩手県大槌町に駐在し(上司に行って「大槌駐在」というポジションをつくった)、継続的にまちを見てきた朝日新聞編集委員の東野真和さんの本。一つのまちに携わるから見えてくるもの、ことがある。第8章の「大槌を引っ張る101人」は圧巻。ただ、読んでいるこちらが「こんなに人がいるから大丈夫」ではない。東野さんが描いているように、今だからこその悩みは尽きない。今だからこそ、どんなお手伝いができるかを考えるタイミングだ。震災直後何をしていいか分からなかった。今はヒントがある。それだけでもアドバンテージ2017/08/13
the-secret-woods
0
岩手県大槌町に震災直後から居を構え、定点取材を続けている筆者の震災から5年間の取材記録。震災復興がどのように進み、現在どうなっているのかがよくわかる一冊。被災者をいたわる心が伝わってくると同時に、理想と現実の厳しさも描いている。「何もないから何かが生まれる」という精神は、物にあふれる日本に最も欠けている者ではないだろうか。関係の無い地方では震災が色あせる中、改めて読みたい一冊。2016/04/14