目次
第1章 予期せざる災難、敗戦
第2章 四面楚歌の朝鮮総督府
第3章 残留と帰還の岐路に立たされた日本人
第4章 抑留・押送・脱出の極限体験
第5章 ひっくり返った世の中を恨んで
第6章 母国日本の背信
第7章 出会いと別れ、そして記憶の食い違い
著者等紹介
李淵植[リエンショク]
1970年、ソウル生まれ。現在、ソウル特別市人材開発院歴史文化行政課程講師、上智大学日本学術振興財団、外国人共同研究員、文学博士。
舘野〓[タテノアキラ]
中国大連生まれ。法政大学経済学部卒業、東京都庁勤務(定年退職)、現在は韓国関係の出版物の企画・編集・執筆・翻訳に従事中。出版文化国際交流会理事、日本出版学会・K‐文学を読む会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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えんさん(연싼)@読書メーター
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大日本帝国の敗戦、そして崩壊の中で当時植民地だった朝鮮で暮らしていた日本人はどのように「脱出」(一般的には引き揚げだが、当事者らの体験に基づくとこの言葉で表すのが適切かと)あるいは残留を選ぼうとしたのか。また、本土に戻ったあとも内地の人間から腫れ物扱いを受けた経験があり、最終的には「戦争被害者」一般と括られて十分な補償を受けられなかったことを提示している。敗戦による帝国と植民地支配の崩壊に伴う混乱に晒されるのは現場にいる人間であることを改めて感じさせられた。 「帝国に生きた少女たち」も併読すべき。2019/12/20