目次
なぜ今、弁護士のワークライフバランスなのか?
第1部 研究編(弁護士のキャリア移動に見られるジェンダー差;法曹職における入職経路と地位達成のジェンダー間比較;弁護士の専門分野とジェンダー;弁護士の仕事を辞めたいと思った経験の要因分析―弁護士の離職行動の男女比較;弁護士の性役割観・家事時間・労働時間;弁護士の結婚と子供;弁護士のワークライフバランスとジェンダー)
第2部 資料編
著者等紹介
中村真由美[ナカムラマユミ]
富山大学経済学部准教授(社会学)。1967年生まれ。シカゴ大学大学院博士後期課程修了。Ph.D.(社会学)。専攻:家族社会学、専門職の社会学。研究対象は、少子化(家族形成)および専門職のキャリア形成とワークライフバランス(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てくてく
5
難関試験を突破し、資格職である弁護士。その仕事や家族関係にジェンダー差はあるか、ということをデータを元に分析した本。自分で仕事量を加減する裁量を有するため、出産・育児とのバランスをとって仕事を継続することは可能であるが、建前として、男女平等であるが故に、弁護士業界全体では育児支援などがそれほど整っていないことが明らかになっている。育休などの支援制度はあるが、弁護士は対象ではない(事務職員向け)事務所の存在は、大学業界と似ているところがあると思った。2016/03/10
Meroe
1
お仕事用。高度専門職である弁護士の仕事や家事におけるジェンダー差について、2008年に行った調査をもとにした、統計を用いたカチッとした論文集。1キャリア移動、2転職のあり方、3専門分野、4離職したいと思った経験、5家事時間と労働時間、6結婚と子供。法曹界は社会のほかの部分よりずっと平等だが、限界もある、という。2015年。2015/12/18
Takuya Kawahara
0
第Ⅰ部「研究編」第3章「弁護士の専門分野とジェンダー」と第6章「弁護士の結婚と子供」が特に興味深かった。専門分野には男女間で差があり、女性弁護士は個人を対象とした、感情労働・ケア労働に関わるような分野(親族問題、相続問題、少年事件など)を専門としやすく、男性弁護士は企業を対象とした分野を専門としやすいという結論であった。もっとも大都市と地方では事情が違うであろうし、今後はジェンダー差がなくなっていくことを期待したい。また女性弁護士の配偶者職業は47%が弁護士(2008年の調査)というのは切ない気がした…。2016/05/02