目次
1 先住アメリカ人の世界―一四九二年以前(最古のアメリカ人―モンゴロイドのアジアからの移動;先住アメリカ人の文化―その地域的広がりと多様性 ほか)
2 先住アメリカ人・ヨーロッパ人・アフリカ人―一四九二‐一七七五年(ヨーロッパ人の植民活動―それは大西洋岸からのみ始められたのか;ヴァージニア植民地の建設―先住民インディアン側から見ると ほか)
3 解放と抑圧の連鎖―一七六三‐一九一〇年(対英抵抗運動の展開―エリートと民衆の「自由」への目覚め;アメリカ独立革命―解放と抑圧の戦い ほか)
4 「アメリカの世紀」―一八九八‐二〇〇〇年(米西戦争―民族解放戦争と帝国主義戦争との交錯;ハワイ併合―無視された先住ハワイ人の声 ほか)
5 21世紀のアメリカ―二〇〇一年‐現在(テロとの戦い―W・ブッシュ政権の外交;「アメリカの世紀」の終わり―アメリカに映し出される資本主義の栄光と悲惨 ほか)
著者等紹介
富田虎男[トミタトラオ]
立教大学名誉教授。専攻はアメリカ史
鵜月裕典[ウズキユウスケ]
元立教大学文学部。専攻はアメリカ史
佐藤円[サトウマドカ]
大妻女子大学比較文化学部。専攻はアメリカ史、アメリカ先住民史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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崩紫サロメ
18
エリアスタディーズシリーズで歴史に特化したシリーズであるが、編者三人がアメリカ先住民の研究者であるため、白人中心ではないアメリカを取り上げた章が多い。35章「インディアンの隔離と同化」ではドーズ法を扱っているが、これが「文明」の名のもとに先住民をどうかさせ、土地移転を促し多くの貧困インディアンを生み出したことを紹介するとともに、これを参考に制定されたとされる北海道旧土人保護法をあげ、両法の比較が近代国家成立と先住民の関係性を考察する上で重要な論点であるとし、参考文献が挙げられている(p.153) 2021/02/05
どんぐり
4
1980年代に生まれた自分にとって、アメリカという国はまさしく"正義の国”というイメージでした、少なくとも高校生くらいまでは。しかし、その後のイラク戦争や9.11、アフガン戦争などを通し、そのイメージが徐々に崩れていきました。そもそも、どの国も"正義か悪か"で峻別できるものではない。この歴史書は、アメリカという国が様々な民族を虐げ、犠牲にして作られたということが学べます。決してほかの国に対して正義を振りかざせるような国ではない。読後は、アメリカに対して少しネガティブな気持ちになってしまいました。2015/07/10
パーやん
3
インディアンからの土地の収奪が建国の原点って云う名誉な歴史を学ぶってどんな気持ちなんだろう。ひょっとしてそこは跳ばして独立戦争から歴史は始まる…とか。南北戦争も純粋な人権意識と云うより黒人労働力の確保にはどちらが都合が良いかで始まった内戦だし、建国の歴史は簒奪の闘いの連続だね。日本でも前後して明治維新の戊辰戦争で内戦をしているから大差はないか。でも薩長vs会津の確執は少なくとも現代では解消されていると思うが、こちらの人種問題は未解決だしトランプ以降は寧ろ過激化しているから心配だね。(続)2017/12/07
がんぞ
2
白人が持ち込んだ伝染病で無人になった土地もあり、ほかに馬や銃や蒸留酒で文化は破壊され。「独立戦争」とはインディアン収奪のFreeの為。/南北戦争は自由貿易を拒否し西部征服を本格化させるため/フロンティアの消滅とはインディアンカントリーの消滅/欧州大戦参加は評価が難しいが、20世紀後半の五大戦争に入る朝鮮戦争を項目も立てず「東アジアの紛争」として白人の攻勢終末点をぼやかす/キング牧師の運動は人種対立を深刻化させ…内攻したフェミニズムは社会を分断…最悪の発明かもしれない人工知能は労働をフラット化…暴走民主主義2019/08/10
海戸 波斗
2
おもしろくてサクサク読了。学校のテストとか関係なしの知識ってこんなに面白いんだ。次はテレビ用に韓国史なんていいかも。2015/04/21